『GS美神』最終回は”2つ”ある? 美神は数百年後に悪霊になっていたらしい
美神と横島の関係はどうなった?
1991年から1999年まで「週刊少年サンデー」(小学館)で連載されたマンガ『GS美神 極楽大作戦!!』は、ゴーストスイーパーの「美神令子」と煩悩少年アシスタントの「横島忠夫」、幽霊の「おキヌ」らが悪霊や妖怪を退治する物語です。オカルトにギャグ、ラブコメ、バトルなどの要素が融合した人気作で、1993年にはTVアニメ化、1994年には劇場版も公開されました。 【画像】肌がツヤツヤに!? 最終巻の美神と1巻目の違いを見る ※この記事では『GS美神』最終回までの内容を含みます。 そこまで人気を博した『GS美神』の最終回をご存じでしょうか? 実はファンの間で物議をかもしがちな「夢オチ」だったのです。 最終話「ネバーセイ・ネバーアゲイン!!」では、なぜか舞台がいきなり西暦2199年に飛びます。美神の事務所は、これまで何人ものGSが除霊に失敗している強力な悪霊屋敷となっていました。そこに住まう悪霊は美神本人で、未来の世界で彼女は「20世紀末日本の伝説の最強GS」と呼ばれていたのです。悪霊になったのは美神だけではありません。おキヌや横島も悪霊となり、旧事務所で一緒に暮らしているようです。 しかし、美神はふたりの静止も聞かずにオカルトGメンを追い出そうと攻撃を続け、それを受けた女性のGSは服がはだけて下着が丸見えに……といった『GS美神』らしいお色気シーンも挿入されていました。美神を捕獲し高値で売り飛ばそうとするオカルトGメンを華麗に成敗し、高笑いするのも美神らしいです。 そこへオカルトGメン本部が駆け付け、再びピンチが訪れます。しかし「本当に美神さんなんですね!?」と驚きの声を上げながら、姉弟弟子にあたる「ピート」がパトカーから出てきました。 ピートは美神の事務所を買い取り、もう誰も除霊に来ないようにしてくれたようです。「自分が成仏することで誰かが儲かることが気に入らない」という守銭奴らしい理由で成仏しなかった美神は、それを聞いて満足し、成仏しようとします。 しかし、今の自分が残留思念で、本物の自分は美神とどういった関係で人生を終えたのか気になる横島は成仏に納得できません。横島が「俺まだ成仏したくないってばー!」と飛び起きたところで、これまでの物語が夢であったことが判明します。 この最終回について、原作者である椎名高志先生は最終巻のカバー裏に「別に何かがどーなって【完】っていうまんがじゃありません」というコメントを残しています。独立エピソードをつなげていくタイプの作品なので、これからも美神はおキヌや横島と一緒に「現世利益 最優先」で悪霊を倒して生きていくということが分かる、『GS美神』らしい最終回だったのではないでしょうか? 一方、アニメでは全45話、原作でいうと単行本全39巻中の9巻目のエピソードで終了します。映画の世界に迷い込んでしまったおキヌを助けに、美神たちも銀幕の向こうへと向かいます。そこでは、映像に込められた情念に巣食う悪霊「モンタージュ」が暗躍していました。美神たちは新撰組の着物に身を包み、悪霊退治へと挑み……といった内容が展開されます。 ちなみに、アニメ終了後の1994年8月に公開された映画『GS美神 極楽大作戦!!』は、映画『らんま1/2 超無差別決戦! 乱馬チームVS伝説の鳳凰』と同時上映でした。 現在は完全新作版のTVアニメ『らんま1/2』が放送中です。令和版『らんま』放送前にはコンプライアンスを気にする声もありましたが、うまく現代に合わせた形でアニメ化されていることもあり、『GS美神』の復活にも期待が高まります。
米田果織