自民党、都議補選で逆風の影響探る…立憲民主党・共産党は衆院選での協力意識し「すみ分け」
与野党は、28日に告示された九つの東京都議補欠選挙(7月7日投開票)を次期衆院選の「前哨戦」と位置づけ、注力している。8選挙区で候補を立てた自民党は「政治とカネ」の問題を巡る逆風の大きさを探り、立憲民主、共産両党は「すみ分け」で衆院選での選挙協力につなげる戦略を描く。 【ひと目でわかる】都議補選の構図と衆院選挙区の関係
自民の小渕優子選挙対策委員長は28日、足立区内で「自民に大変厳しい目が向けられている。心配、迷惑をかけ、心からおわびしたい」と陳謝した。
自民は9選挙区のうち、5議席を持っていたが、自民幹部は擁立した半数の「4勝以上」を勝敗ラインに挙げ、「決して甘い目標ではない」と明かした。
派閥の政治資金規正法違反事件で、党の処分を受けた元安倍派の萩生田光一・前政調会長、下村博文・元文部科学相の地元は特に強い逆風が想定される。萩生田氏は28日、八王子市で「逆風の原因を私自身が作ってしまった。信頼回復に全力を挙げなければならない」と強調した。下村氏は板橋区内で「政治の信頼は私自身が取り戻していかなければならず、都議補選と関係のない話だ」と訴えた。
公明党は今回、都議補選が行われる複数の選挙区に現職がおり、来年夏の都議選で自民と争うため、自民候補に推薦を出しておらず、「基本的に静観する」(石井幹事長)という姿勢だ。関係を重視する小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党・都民ファーストの会が自民と競合しており、小池氏に配慮する思惑もあるとみられる。
一方、立民は「非自民票」の受け皿を一本化するため、擁立を3人に絞り、共産と計7選挙区ですみ分けた。
立民の泉代表は28日、足立区の立民候補の選挙カーに乗って遊説した。共産の田村委員長は板橋区内で「都議補選も共闘で政治を変えよう」と声をからした。立民幹部は「補選での勝ち星の行方は、衆院選の『立共協力』のあり方を左右する」と指摘した。
小池氏、都民ファ候補応援を見送り
都議補選では、同日投開票される都知事選の候補者たちの動向も注目される。