地元での撮影と映像美にこだわり制作を続ける 三好市出身の映画監督・蔦哲一朗さん【徳島】
JRT四国放送
徳島県三好市出身の映画監督、蔦哲一朗さんが地元の三好市でロケを行い制作した長編映画が2024年に完成しました。 地元での撮影と、映像美にこだわり制作を続ける蔦さんの想いとは? 2025年1月3日、ロケを行った三好市の黒沢湿原は、雪が残っていました。 三好市出身の映画監督蔦哲一朗さん、40歳。 蔦さんが監督を務めた映画「黒の牛」は、徳島県西部と香川県の間で牛を貸し借りしていた慣習「借耕牛」を題材にした物語です。 明治時代をイメージした山奥で、牛と暮らす男の日々を描いています。 2024年に編集作業が終わり、東京国際映画祭に出品。 音楽には、坂本龍一さんの曲が使われています。 映画で重要な役を担った牛は、徳島県つるぎ町の酪農家から借りました。 本来は食肉用のため、ロケの3か月前から畑を耕す訓練を行ったそうです。 主演は台湾の俳優、リー・カンションさん。 ロケは、2022年の5月から10か月ほどかけ、三好市をメインに高知県や台湾などで行われました。 (映画監督 蔦哲一朗さん(40歳)) 「大部分は35ミリの白黒フィルムで撮影してるけど、一部、日本の長編映画では初になる70ミリフィルムというものを使って撮影してるというのもあって、デジタルにはないフィルムならではの奥深さというか、映像美みたいなのが僕のこだわりではある」 2014年に公開された長編映画「祖谷物語」でも、三好市内の山中で撮影を行った蔦さん。 今回も、「人と自然の共存」がテーマです。 蔦さんは、1984年、三好市池田町に生まれました。 祖父は、池田高校野球部を全国優勝に導いた名監督、文也さん。 小学校から高校までは、サッカーに打ち込みました。 そして、東京の大学に進むと徐々に映画製作にのめり込んでいきます。 地元・三好市を離れ、今は東京で妻や子どもと暮らしている蔦さん。 これからは、東京一極集中ではなく、地方でも魅力を活かしていけば人が集まると考えています。 生活スタイルが変化し、スマートフォンなどの小さい画面で映画を観る人が増えている今、蔦さんは、映像を楽しむためにも映画館の大きな画面で観てほしいと訴えます。 (映画監督 蔦哲一朗さん(40歳)) 「やっぱり、映画館で観てほしいかなというのはある。引きの画を多用してるというか、自然描写がありつつの、その場にいるような体感をしてもらうような映画なので。なるべくは映画館で観てもらいたいという想いはあります」 映画監督、蔦哲一朗さん。これからも映像美にこだわり映画をつくり続けます。 なお、映画「黒の牛」は2月に香川県の「さぬき映画祭」で上映されます。 また、蔦さんは徳島県内外での劇場公開に向け、準備を進めているということです。 (詳しくは動画で)