「ロゴマークが変わると、会社も伸びる」 ANAやアサヒビール、成長したときにロゴが変わっていた
◆シェル石油、スタバ、ほんの少しずつ変わるロゴ
―「デザインの力」はいつまでも続くのですか。 成功したから終わりではありません。 会社のマークが100年持つかというと、持ちません。時代はどんどん変わっていきます。 時代に合わせて、リニューアルする必要があります。 多くの場合、5年、10年おきに時代に合わせて、ほんの少しずつデザイナーがリニューアルしています。 それは見る人には気づかれない程度の変更です。 何百年も続いているブランドは、みんなそういう風にリニューアルしているものです。 例えばシェル石油のマークは、赤と黄色のシンプルな貝のマークです。 見慣れたマークですが、10年、20年ごとに微妙に変わっています。 クレジットカードのVISAの字体やグリコのマーク、スターバックスコーヒーのマークなども時代と共に変化しています。 事業は常に改善して時代に合わせていきます。 デザインもそれと同じ感覚なのです。 ―そうすると、社長が交代する事業承継時は、会社が劇的に変わるから、ロゴマークをはじめブランディングを見直す時ですか。 新社長は、今まで通りじゃいけないと思い、新しいことをやろうと考えるものです。 それを広く早く全社員に伝える手段として、ブランディングを新しくすることは効果的です。 老舗企業のように属人的と思われている会社なら、より開かれた社会的な存在になっていきます。 そうすると、いろいろなしがらみがあって新規事業に踏み出せなかった会社が生まれ変わるチャンスが生まれます。 多様性やグルーバル化にも対応できるようになり、新規事業にも挑戦しやすくなります。
◆事業承継した中小企業こそ新しいロゴマークを
―後継者難などによって中小企業の事業承継が社会課題になっています。ブランディングは有効ですか。 中小企業こそやった方がいいと思います。今、大企業といわれる会社も昔はみんな中小企業です。 何らかのチャンスをきっかけに大企業、一流企業へとステップアップしてきたのです 。そのきっかけを起こす時にデザインが果たす役割は大きいと思います。 私は中小、ベンチャーから大企業まで多くの会社でブランディングに関わってきました。 ベンチャー企業は、まずブランディングデザインから入る会社も多くなっています。 ―スムーズな事業承継を「デザインの力」でサポートできますか。 デザインを通して、たくさんサポートできると思います。 事業を見直すきっかけにもなりますし、すでにお話しましたが、「デザインの力」でポジティブなイメージを社内外に与えられます。 トップが変わることは会社が大きく変わることです。 その変化を広くみんなに知ってもらうことが大切です。 新しいトップとして変化への覚悟も見せなくてはいけません。 ビジュアルを変えて、会社の内外にも発信するべきです。事業承継の機会をとらえて、ロゴマーク変更などのブランディングは是非やったほうがいいと思います。 「デザインの力」は事業承継をビジュアル面で強力にサポートできると信じています。