広島県海田町に新駅できたら利用者推計1日6800人 町がJR山陽線に設置検討
広島県海田町東地区に町が設置を検討しているJR山陽線の新駅の1日当たりの乗降客が、推計で約6800人になることが町のまとめで分かった。地元の住民や通勤・通学者たちを対象に実施したアンケートなどの調査を基に試算した。町は「周辺の駅と比べても相当なニーズがある」としている。 【地図】海田町が検討する新駅建設エリア。新駅を利用するかの回答グラフも 調査はJR西日本の子会社に委託。アンケートは2023年8月に半径2キロ以内の住民約1万4700人のうち15歳以上の2千人を無作為抽出して実施した。近くの広島国際学院中・高の全校生徒1480人、同校の教職員や周辺企業4社の従業員計1485人にも行った。 全体の回答者2943人のうち「新駅を利用する・利用する可能性がある」と答えた人は1707人で58・0%。新駅周辺の人口、周辺駅の利用者数などを加味して1日当たりの乗降客数を約6800人とはじく。うち現在近隣駅を使っている人を除き、新たにJRを利用する客は約4千人になる見通し。 周辺駅の22年度の1日当たりの乗降客数は、海田市駅(同町)が約1万6500人、安芸中野駅(広島市安芸区)が約4700人、瀬野駅(同)が約6千人。昨秋に行った同校と4社の責任者からの聞き取りでは「生徒や従業員を募りやすくなる」「車通勤者のJRへのシフトが進む」といった声が上がったという。 町は、用地買収や補償費用を除き、駅舎やホーム、駅前広場などの事業費がおおむね38億円以上になると試算。今後、新駅の近くの瀬野川で計画する新畝橋(仮称)の建設や海田東小の建て替えなど周辺のまちづくり計画を踏まえてJR側と協議を進める。24年度内に方向性を出す構えだ。 町建設部は「収益性がポイントになる。地元としての熱意や盛り上がりを示し、他都市の事例を参考に財源を検討、工夫していく」としている。
中国新聞社