地下鉄サリン事件発生から29年 遺族ら法務大臣、公安調査庁長官に要望書を提出「賠償金未払い」の早期解決など訴え
「被害者の立場を理解していただいている」
今回、要望書を受け取った小泉法相は、事件当時財務省(旧大蔵省)に勤務。当日は霞ヶ関駅行きの地下鉄に乗車していたが、出勤が30分遅れたことで発生現場を逃れたという経験をしている。そのような背景もあり、会見に同席した宇都宮健児弁護士(オウム真理教犯罪被害者支援機構理事長)も「(要望については)被害者の置かれた立場については理解していただいているという感触を得た」と提出への反応について話した。 その上で、「30年近くもたち、事件を知らない若者がたくさん出てきている。国民全体にも今一度この問題への理解を深めていくことが非常に重要。30年(来年)に向けて、もう一度さまざまな取り組みを具体的に行いたい」(宇都宮弁護士)と今後についての決意を示した。 3月13日、崇拝の対象になり得ると国が引き渡しを拒否していた、オウム真理教元代表の麻原元死刑囚の遺骨や遺髪を、東京地方裁判所が所有権がある次女へ引き渡すよう命じる判決が出るなど、事件から29年経てもさまざまな場所で問題は収束していない。 明日20日、多くの被害者が出た東京メトロ霞ケ関駅では追悼の献花が行われる予定となっている。
弁護士JP編集部