年内のNISA駆け込み需要に期待 非課税枠での取引期限に気をつけて 国内株式は26日まで、投信はそれぞれ受渡日が異なる
【兜町地獄耳】 証券ライター 先週前半の日経平均株価は久々に迫力のある動きだった。9月以降、幾度となく弾き返されていた4万円の壁を今度こそ突破してもらいたいものだ。 外資系ファンド幹部 先週は、NYダウ、ナスダック、S&P500といった米国の主要株価指数がそろって史上最高値を更新した。トランプ次期大統領の政策を期待して、ビットコインも初の10万ドル台を突破した。ちょっと早い米国からのクリスマスプレゼントだ。 ライター おいおい、外部要因だけじゃないだろ。日経平均が大幅に上昇したのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による日本株買い増しの期待もあったからだ。 幹部 確かにそうだな。ただ、日本特有の懸念もある。日銀によるETF(上場投資信託)の売却だ。日銀のETFの保有額は時価で70兆円にも達する。これが市場で売却されれば、株式市場にとっては巨大な売り圧力となるはずだ。 ライター 今年前半までは、日経平均が急落すると日銀がETFを買い入れて相場を下支えしてきた。今後、たまりにたまったETFをどう処分するのか、日銀にとっては大きな課題だ。少しずつ売却しても200年超の期間が必要だといわれている。もっとも、実際の売却は2026年以降とも言われているから、しばらくは大丈夫じゃないか? 幹部 ただ、株式市場はそれを織り込んで動くから、来年以降は「日銀ショック」が度々あるかもしれないな。 ライター 年内の相場はどうだ? 例年通り、節税対策の株売りの動きはあるものの、今年はNISA(少額投資非課税制度)の駆け込み需要も期待されている。まだ、NISAの今年の投資枠を使い切っていない個人投資家が買ってくるんじゃないか? 幹部 株式市場も好調だし、慌てて買ってくる投資家は多いと思う。本来なら、下げている場面でこそ、買い増したいところだけど(笑)。ところで、NISAの今年の非課税枠での取引期限はいつまでだっけ? ライター 国内株式は26日までだ。投信はそれぞれ受渡日が異なるから、証券会社のホームページなどで確認したほうがいい。中には、申込受付日から起算して9営業日目に受け渡しというファンドもあるから気をつけないと。ちなみに、株の節税対策売りも26日までが期限だ。翌日以降に売却しても、受け渡しは翌年になるから、今年の損益通算はできない。
幹部 なるほど、27日からは実質新年度相場入りってわけか。NISA組の駆け込み買いは期待材料だけど、投信を通じて米国株に投資する人も多そうだけどな(笑)。