ドネツク州激戦地を制圧 ロシア国防相、大統領に報告
ロシアのショイグ国防相は25日、侵攻を続けるウクライナ東部ドネツク州の激戦地マリンカを同日、完全に制圧したとプーチン大統領に報告した。プーチン氏は、ロシア軍にとって「作戦上の大きな可能性が開けた」と述べ、重要な成果だと評価した。タス通信などが伝えた。 ドネツク州全域の制圧を目指すロシア軍は、マリンカの奪取により同州南西部ウグレダールなどへの進軍が容易になる。6月に始めた大規模反転攻勢で目立った戦果を挙げられずにいるウクライナ軍には打撃だ。 ウクライナメディアによると、ウクライナ軍のシュトゥプン報道官は25日「マリンカを巡る戦闘は続いている」と述べ、ロシアの制圧を否定した。 マリンカは、ロシアが一方的に併合を宣言したドネツク州のロシア側実効支配地域「ドネツク人民共和国」の中心都市ドネツクの南西近郊。2014年に独立を宣言したドネツク人民共和国の軍事組織と交戦を始めたウクライナ軍は、マリンカに長い塹壕や防衛線を構築した。ここからドネツクに連日、砲弾やミサイルが撃ち込まれ、市民に死傷者が出ていた。