【今すぐ食べたい!】揚げたてのカツ、そして昭和の黄色いカレーを“丼”で! 新宿「とんかつ 王ろじ」 唯一無二の味を求めて
●大正10年創業、100年を超える老舗とんかつ店
新宿駅を出て新宿三丁目方面へ向かい、伊勢丹の手前で曲がった先、細い路地にあるのが、とんかつの店「とんかつ 王ろじ(おうろじ)」。 【画像】新宿の老舗店「とんかつ 王ろじ」の料理を画像で見る(23枚) 創業は大正10年(1921年)。初代である店主の父親は、フランス料理を修行後、独立しこの店を開いたとのこと。 「最初は神楽坂にあって、花柳界の仕出しを中心にやっていたけれど、関東大震災にあってね。新宿の十二社(じゅうにそう、現在の西新宿)に移って、その後戦争にもあって。こっちに出ておいで、と言われて今の場所に来たのが昭和21年(1946年)なんですよ」と店主。 さすが老舗、関東大震災も第二次世界大戦も店の歴史です。
ちなみに店名の由来は「路地の王様」だから「王ろじ」に。そして、のれんに書かれた独特の文字などは全て、先代の店主がデザインしたものです。 「こだわりの強い人、尖った人だったからね。昔はメニューもみんなこの文字だったから、お客様から読めない! と言われたこともありましたよ」 いわゆる“頑固親父”で、客の態度によっては叱り飛ばすこともあったそう。だからこそ、こだわりの味、ここでしか味わえない唯一無二の味が生まれたとも言えます。 「時代に流されず、うちはうち。昔ながらのやり方を続けています」 父から子へ、そして孫へ。3代、4代に渡って愛され続けている店、王ろじに来たら味わってほしい料理を紹介します。
●店の顔とも言える「とんかつセット」2000円
まずはこの店を代表するメニュー「とんかつセット」。ここにはヒレカツはありません。全てロースカツです。
「うちはロースしか使わないですね。国産の豚ロース肉を食べやすく、程よく脂や筋を丁寧に取って叩いてから丸めて成形し、衣をつけています」 油は大豆の白絞油、衣はおろした生パン粉。中の肉は柔らかく、衣はカリッとするよう、独自の方法で揚げているとのこと。 素材の一つ一つ、調理の一つ一つに、真剣に向き合い、こだわっていることが伝わってきます。 いざ食べてみると、ザクザクの衣に、ジュワッと柔らかい肉。口の中でほろっと解けていくような食感です。1枚肉の塊ではなく、丸めているからこその層を感じる柔らかさ。程よい肉のしっとり、むっちり感を感じられます。 そして豚汁も独特。具は炒めたタマネギとベーコン、豆腐です。 「味噌は、新潟にある味噌蔵から直送してもらっている麹味噌。ずっとこの味噌で変えていないですね。注文が入り次第、イベリコ豚のベーコンを炒めて仕上げています」 味噌汁にベーコン? と思う人もいるかもしれないですが、旨みの強い麹味噌と合わせることで、よりコクの深い美味しさに。この豚汁のレシピ、知りたい!