個性&インパクト大! BMW「XM」は現代の歌舞伎者に最適!?
ゴルフ歴約20年のエンジョイ派の小沢コージは、各種メディア連載をはじめ、TBSラジオ「週刊自動車批評 小沢コージのCARグルメ」のパーソナリティを務める著名自動車ジャーナリスト。小沢と一緒に至高のゴルフCARを探す、週刊ゴルフダイジェストの人気連載を紹介。今回はBMW XM!
なにこの超ド級顔面力!
もうね、単純に広いとか便利とかカッコイイとか速いとかの古くさい次元では語れない超ド級スーパーゴルフカーに出合っちゃいました。それはBMW XM! まずサイズ感であり顔面力がハンパない。長さなんと5m超えで幅も2m超え。高さ1.7m強は大型SUVとしては常識的だけど前後タイヤ間のホイールベース3m超えは規格外。車重は軽自動車の3倍はありそうなほぼ2.7トンでさらにスゴイのはお値段で実に2130万円から。マジで一体誰が買うんだろ? ってサイズ&インパクトで、なによりイカツさの塊たる「顔面力」がフツーじゃありません。 巨大な鼻の如きキドニーグリルはもちろん、「目」とも言うべきLEDヘッドライトは仏頂面のヤンキーの如き薄型。タイヤも超大径23インチホイールと組み合わされ、ショー会場ならともかく、このまま街を走るとは思えぬいでたち。 しかし商品企画はBMWのモータースポーツでありスポーツモデルを担当する「M社」が担当。70年のM1以来のM専用モデルということで、走りや質感がしっかりしているから予想外。内装の2トーン色使いや凝った造形は、パリかロンドンのアヴァンギャルドなナイトクラブはこんなムードなのか? と思わせる別世界観。 それでいて走りはこれまたM社専用チューンの4.4リッターV8ターボベースのプラグインハイブリッドを搭載し、システム最高出力は653psで最大トルクは800Nmと圧倒的。しかも走らせたらどんだけ暴力的でスパルタンなテイストかと思いきや上質感があってスムーズ。 確かに薄皮まんじゅうの如くゴム部の薄いタイヤもあって道路の継ぎ目でブチっと何かがちぎれたような衝撃は入りますが、それ以外は想像以上に静かで上質。ワイルドな見た目以上に本格高級SUVとして真っ当に仕上がっているのです。 かたやゴルフカーとしてみると527リッターのラゲッジ容量は十分とはいえ、横幅が狭く、フルサイズのキャディバッグの手前平積みは不可。この当たりは正直物足りませんが、それを補ってあまりある衝撃の個性&インパクト! 正直、並みのリッチマンにコイツは乗りこなせないはず。似合うのは人を驚かせるのがなにより好きで、奇抜を愛する現代の歌舞伎者、ゴルフ好きのトンでもYouTuberぐらいでは? マジメな話で。 撮影車種/BMW XM 全長×全幅×全高/5110×2005×1755mm メーカー希望小売価格/2130万円~ 撮影/小林司、撮影協力/加茂ゴルフ倶楽部
週刊ゴルフダイジェスト