「首里の朝市」が盛況! 地域の店主ら交流、にぎわいづくりに 取り組みのきっかけは 沖縄
首里で店を経営する事業者らが今年から首里城公園内で取り組み始めた「首里の朝市」が人気企画となっている。10月6日に実施した第3回は、首里地域の店を中心に45店舗が出店した。会場は来場客であふれ、すぐに商品が売り切れになる店舗もある盛況ぶりだった。朝市の取り組みを機に事業者同士の交流も生まれ、盛り上がりを見せている。 【動画】首里城火災から5年 今だけの「見せる復興」
取り組みのきっかけを作ったのは、クラフトビールの「ウォルフブロイ」を経営する千葉県出身の戸村由香さん。2019年に首里で開業した際に、通り会など地域の商店主を束ねる組織がないことに驚いたという。首里の事業者同士の交流会を開こうとSNSで呼びかけると40人ほどが集まった。「こういう機会がほしかった」などの声が上がり、雑談から朝市開催の案が出た。有志が実行委員となって3月に第1回を開くと好評で、継続実施につながっている。 創業70年となる新垣養蜂園3代目の新垣伝(つとお)さん(41)は初回から参加しており、「首里にこんなに店舗があったとは知らなかった」と驚いた様子。 かつて首里城の敷地に琉球大学があった時代、周辺には学生向けの飲食店のほか、靴屋や文具屋など生活に根ざした店が並び、活気を見せていたという。城下町のメインストリートである龍潭(りゅうたん)通りが、2002年に市の都市景観形成地域に指定されてから、道路の拡張工事で沿道の建物がほとんど建て替えとなった。その時期を境に店をたたむ事業者もいたという。
現在首里地区には、事業承継した老舗に加え、他市町村や県外から移り住んで新たに開業する若い事業者も増え、おしゃれなカフェやレストランが点在する。 首里育ちの金城学さん(58)とみゆきさん(58)夫妻は、2018年に首里儀保町でかりんとうとカステラの「榮椿(えいちん)」を開業。学さんは「これまで出店の機会は首里文化祭だけだったが、朝市があることで集客にもつながる。継続していけば、もっと首里を歩く人が増えてくるのでは」と期待した。 次回の開催は2025年3月の予定。
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