「JR東海はもう少し真摯に関係者に向き合ったほうが良い」 静岡県・鈴木新知事が語る“JR東海の印象”
テレビ愛知
注目の静岡県知事選挙で、当選した鈴木康友さんはどんな人なのでしょうか? 鈴木さんは、静岡県出身の66歳。2000年の衆議院議員選挙で初当選し、2007年からは浜松市長として4期16年、市政を担いました。そして気になるリニア中央新幹線については選挙中、「課題を解決して前に進める」と話していました。当選を果たした今、その言葉通りに実行していくのか、聞きました。
石井俊大アナウンサー: 「鈴木新知事のリニアに対する考え方を教えてください」 鈴木康友 静岡県新知事: 「考え方としては水の問題とかアルプスの生態系の問題とか、環境保全の問題。こうした問題をちゃんときちっとクリアした形でリニアを推進していくということには変わらない」 リニアの静岡工区着工をめぐっては、トンネル内の湧き水による大井川の流量減少が課題となっています。JR東海はこの対策として水力発電に利用されている田代ダムの取水制限によって大井川の水量を維持する計画を提示していました。 鈴木康友 静岡県新知事: 「これは現実的な解の1つだとは思いますけれども、まだ流域市町の皆さんの了解が得られていないので、そこはこれから詰めていく必要がある。JR東海は、期限を決めずに中下流域に工事で影響が出れば、責任を取るということは公式に発表されている」 水資源をめぐる問題は、5月に入って大きな動きがありました。今月13日に静岡県の専門部会で地質や湧き水の量を調査するためのボーリング調査が容認されました。川勝前知事の在任中は水の流出を懸念して「待った」をかけていましたが… 鈴木康友 静岡県新知事: 「私は調査はすべきだと思う。調査しないということは先に進みませんから。私は調査についてはまだ何もヒアリングを受けていませんので県庁に行って、ヒアリングを受けなければなりませんけど、基本的には調査はすべきだと思っています」
また、5月には岐阜県瑞浪市でリニアの工事が原因とみられる井戸などの水位が低下する問題が明らかになっています。 石井俊大アナウンサー: 「これについては率直にうかがって、どんな感想を持たれましたか」 鈴木康友 静岡県新知事: 「そういう問題が生じたということについては信頼性などの点で、不安感を生じさせることになったことについては遺憾」 特に問題視していたのが。 鈴木康友 静岡県新知事: 「発表・連絡が遅かったということがそれが一番大きな問題。なぜすぐに連絡しなかったのか」 JR東海はこの問題を2月に瑞浪市に報告していましたが、岐阜県への報告は5月に入ってからでした。 鈴木康友 静岡県新知事: 「連絡や説明が遅ければ遅いほど、それは不信につながりますので」 石井俊大アナウンサー: 「もう一点、JR東海に対する印象はいかがですか」 鈴木康友 静岡県新知事: 「もう少し真摯にいろんなステークホルダーというかね関係者に向き合ったほうがいいのではないかと思う。もっと流域市町の皆さまと熱心に話し合ったり、訪問して人間関係を築いたりしてと、お願いしたこともあります。ただ、そこまで至っていないという感じがします」
鈴木康友さんが静岡県新知事となることでリニア工事の今後は、どうなるのか。最後に静岡県政とリニアについて取材してきた記者に聞きました。 共同通信社静岡支局 平川裕己記者: 「鈴木氏は川勝前知事が頻繁に使用していた『命の水を守る』という表現を多用するようになったり、川勝氏の県政運営を評価する場面が選挙戦後半でかなり増えた。JR東海への不信感が(岐阜県の)水枯れ問題で県内各地で高まっていたり、住民が不安に思っていたりすることもあり、あくまで(リニア)推進派の鈴木新知事ではあるが、早期にリニアが(着工へと)進んでいくというのは考えづらい」
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