大野和三郎県議=2023年2月撮影、大津市の滋賀県議会、武部真明撮影

　滋賀県から交付された約580万円の政務活動費（政活費）をだまし取ったとして、大津地検は17日、大野和三郎県議（68）=彦根市・犬上郡選挙区=を詐欺罪で在宅起訴し、発表した。認否は明らかにしていない。 【写真】大野和三郎県議=2024年10月15日、滋賀県長浜市、小西良昭撮影 　起訴状などによると、大野県議は2017～22年度の政活費について、調査業務補助員に給与を支払っていないのに虚偽の領収書を作成し、収支報告書に添付して議長に提出。また、21年度と22年度、有権者に向けた県政報告の発行費を水増しした虚偽の領収書を収支報告書に添付し、議長に提出したとされる。 　大野県議は、政策の調査研究の活動などに充てるため、各年度240万円の政活費を県から受け取っていた。年度終了後、領収書の写しなどを添付した収支報告書を議長に提出し、支出しなかった分は返還する必要がある。だが、領収書の偽造などにより、計584万円の返還を免れて詐取したとされる。 　大野県議の政活費の支出をめぐっては、共産党県議団が22年、不正支出が濃厚だとして住民監査請求を県監査委員に行ったが不受理に。同年、虚偽有印公文書作成や詐欺などの疑いで大津地検に告発状を提出していた。 　大野県議は豊郷町議や町長を務めた後、11年の県議選で初当選した。現在4期目。23年の県議選では自民公認で当選したが、県議会の会派には所属していない。（鈴木洋和）