中国、外国資金のリアルタイムデータ提供停止へ-株式相場支える試み
(ブルームバーグ): 中国は香港から本土株式市場への資金の流れに関するリアルタイムデータの提供を13日にも停止する。潜在的にネガティブなデータの源を排除することで市場の信頼感を後押しする狙いがある。
上海および深圳証券取引所は、香港からの株式相互取引(ストックコネクト)を経由した株式売買のリアルタイムデータの表示をやめる。両取引所はこれに代わり、香港から本土へのチャンネルを通じて最も多く取引された10銘柄の情報と共に、日々の取引高の詳細を提供する。
中国がリアルタイムデータ提供廃止へ、本土株への外国マネー流入指標
当局は国際的な慣行に沿った措置だとしているが、外国ファンドの売りに関するデータが市場心理に及ぼす影響を制限する試みでもある。計画が発表されて以来、中国株は上昇している。投資家がそうした動きを受け流し、魅力的なバリュエーションや住宅危機を和らげようとする政府の取り組みなどポジティブな材料に注目していることを示している。
上海謙璞投資管理のファンドマネジャー、チェン・シー氏は、ストックコネクト経由で本土株を売買する「投資家の短期的な資金フローをモデルに組み込んでいるファンドもあるはずなので、リアルタイムデータがなければ、一部のファンドにとっては売買頻度の減少につながるかもしれない」と指摘。「ただ、バリュー投資家にとっては日中データはほとんずノイズに過ぎないため、数字が月次の公表となっても構わないだろう」と述べた。
外国ファンドの資金の流出を示す日中のデータは、過去1年間の相場急落局面で中国の個人投資家のセンチメント悪化の一因となった。同国では依然として個人投資家が国内取引の大半を占める。そうしたデータを非公表にするよう当局に求める声もあった。
上海・深圳両取引所はリアルタイムデータの提供をやめる決定を4月12日に発表した際、約1カ月後に実施されると説明し、具体的な日時は示さなかった。両取引所のメディア担当者にコメントを求めたが、現時点で返答はない。