大谷翔平から奪三振も…チェコでは「誰も僕を知らない」 侍J相手に先発、サトリアが語った“その後”
「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2024 日本vsチェコ」第2戦に先発
野球の「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2024 日本vsチェコ」が9日から名古屋市のバンテリンドームで行われている。10日の第2戦でチェコ代表の先発投手として予告されたオンジェイ・サトリアは、昨年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で大谷翔平投手から三振を奪い、日本の野球ファンの間ではすっかり有名人となった。それ以来、1年半ぶりに立つ日本のグラウンド。チェコに戻ってからの日常や、大谷へ向ける視線などを語ってくれた。 【画像】台湾で人気爆発のイケメン、龍山寺でアジア文化に興味津々のバンク 「残念ながら、チェコに帰ってもだれも僕のことは知らないよ。生活が変わった? いや、何も変わらなかった。100パーセントね」 バンテリンドームで、スタンドのファンに柔和な笑顔で手を振るサトリアはこう笑った。ここでは国際試合に3万人を超える観客が集まる。チェコ国内リーグのアローズ・オストラヴァで投げるサトリアは、母国との野球人気の違いを実感している。 サトリアは昨年3月のWBCでも日本戦に先発。大谷とは初回に初対戦し、チェンジアップで一ゴロに打ち取った。そして3回には再びチェンジアップで空振り三振。直球は130キロに満たないが、緩急で勝負するスタイルで世界のトッププレーヤーを翻弄した。 さらに1次リーグ敗退翌日には、東京ドームを訪れ大谷と直接交流する機会があった。チェコ代表のサイン入りユニホームを渡すと、お返しとして大谷のサイン入りバットやボールを贈られた。さらに渡したチェコ代表の帽子を、大谷が米国移動の際にかぶっていたのも話題となった。
日本でのプレー希望から進路変更「少し難しくなった」
愛くるしい“ひげ面”とともに日本の野球ファンの心に刻まれたサトリア。ただ本国へ帰れば電力会社の一社員だ。会社がチェコ代表のスポンサーになっているため、社内からは健闘を称えるメールが何通も届いたが、広がりはそこまでだった。 それも「落ち着けたほうがいいからね」と意に介さないものの、再び日本と対戦できるとなれば闘志に火が付く。「日本はプレミア12に出るわけだから、僕らがいい強化になるような試合をしなければいけない。その上でもちろん、勝つためにプレーするよ」。第1戦に先発したパディサクは最速153キロを記録した剛腕。それとは対照的な投球術で、日本の前に立ちはだかる。 かつては日本でプレーしたいという野望を口にしたこともあったが、昨年のWBC後にパパとなったことで、今後のライフプランが少し変化した。「今は父親業に集中したいという気持ちが強いかな。だから日本でプロになるというのは少し難しくなったかもしれないね」と、家族を大切にする一面を見せる。 だからこそ大谷との対戦は「人生のベストメモリー、ハイライトだよ」なのだと言う。大谷が今季、大リーグで前人未到の“50本塁打&50盗塁”を記録したのももちろん知っており「活躍は追っているよ。そんな人物から三振を奪ったなんてね……。活躍すればするほど、僕も誇らしくなる」。大谷の活躍が“勇気”を与えてくれる。サトリアはあの日の記憶を胸に、自分の野球人生を歩んでいく。
THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori