農業科目が人気 講師に農家ら 食の実態学ぶ 青山学院大
青山学院大学では、「日本の農業・農村とビジネス」というユニークな科目を開講し、学生の人気を集めている。農業経営者や行政官、研究者らが講師となり、農業全般について学べる。受講生は、当初の100人から200人に増えた。 同科目を開講したのは2010年。農産物の貿易自由化に伴い、日本農業を危惧する声が高まったことが契機となった。開講の立役者は、農水省官僚や駐米日本大使館館員の経験がある現中山間地域フォーラム副会長の野中和雄さん(82)だ。 野中さんは当時、農業の本質を考え、議論する場を提供する目的で、同大学に講義の開講を打診した。講師は、野中さんが手配し、講義はボランティアとして行った。現在は農林中央金庫の寄付講座として、開講している。 今年は開講15年目を迎える。野中さんを含む14人が講師となり、4月9日から7月16日まで15回に分けて講義する。 野中さんの「食・農・里の新時代を展望する」と題した講義を受講した、教育人間科学部の心理学科2年の女子受講生は「日本の食がこんなにも輸入依存で成り立っていたのかと衝撃だった」とした上で、「身近な問題として日本の食について考えていきたい」と意欲を示した。
日本農業新聞