長野県松本市図書館デジタル利用者証導入 スマホで簡単 窓口業務の負担軽減
長野県松本市図書館は、本やCDを借りる際に窓口で使用する利用者カードをスマートフォン(スマホ)に表示させる「デジタル利用者証」を導入する。5年に1度のシステム更新に合わせ、利用者の利便性の向上を図る。デジタル技術を活用して業務改善を図るDX戦略の一環で、窓口業務の負担が減る効果も期待される。26日から利用できるようになる。 これまでのリライト(印字)式利用者カードとの併用が可能で、3年更新の手続きもスマホからできる。中央図書館の永元雄大さんは「スマホさえ持っていれば、気軽に図書を借りることができる」と利便性の高さを強調する。 松本市図書館はこれまでもデジタル技術を活用したサービスを提供してきた。市図書館のホームページ(HP)から「利用照会」にログインすると、借りる本やCDの予約や延長ができ、借りた本の履歴を見る「マイ本棚」といった便利な機能がある。アドレスを登録すると「予約本の用意ができました」「返却期限を過ぎました」などの通知が来る。 松本市内の図書館全11館の利用者カードの登録者数は5万6915人(令和6年3月末現在)で、うち3割が市HPに登録している。デジタル利用者証を使用するには登録が必要なため、ウェブの利用率を上げることも目標だ。 市中央図書館の藤森千穂館長は「この機会に登録者数を増やしたい。窓口業務の負担が減ればレファランス(調査・相談)業務にかける時間が増えるため、図書館業務の可能性が広がる」と話している。
市民タイムス