5年ぶり来日公演ネザーランド・ダンス・シアターの高浦幸乃 英オリヴィエ賞受賞作で主演
オランダの世界的ダンス・カンパニー「ネザーランド・ダンス・シアター(NDT)」の5年ぶりとなる来日公演が7月5、6の両日、神奈川県民ホール(横浜市)で行われる。全5作品に出演する高浦幸乃は、このうち3作品で創作から携わった。「ダンスの魅力がダイレクトに伝わる作品もあれば、噛めば噛むほど味と深みが出るものもある」と上演作品を語り、母国での反応を楽しみにしている。 【写真】ネザーランド・ダンス・シアターの高浦幸乃、エミリー・モルナー芸術監督、愛知県芸術劇場の唐津絵理芸術監督 NDTは1959年設立。長年、チェコ出身の世界的振付家、イリ・キリアンが率いて世界のコンテンポラリー・ダンスの最前線を走り、主力カンパニー「NDT1」には、高浦のほか刈谷円香、福士宙夢(ふくし・すりむ)の3人の日本人が所属する。今回は5作品から、日替わりで3作品ずつ上演される。最大の注目作は英舞台芸術の最高栄誉ローレンス・オリヴィエ賞で今年、最優秀賞ダンス新作賞を受賞したガブリエラ・カリーソ振り付けの「ラ・ルータ」(スペイン語で「道」の意味)だ。高浦と福士を軸に展開する。 作品は、暗闇に侍や墓の断片的イメージが現れる日本の怪談を想起させる内容で、2人も創作段階から深く関わった。「(振り付けは)ワークショップという形で、ダンサーもアイデアを出し合い即興で見せるので、ダンサーの個性が詰まった作品」と高浦。日本語が話される場面もあるという。 高浦は和歌山県出身。16歳でドイツのハンブルク・バレエ学校に留学し、2013年から若手ダンサーで構成する「NDT2」に入り、15年から「NDT1」で活躍している。出ずっぱりの来日公演に向け、「5年ぶりにカンパニーのみんなと日本に来られ、すごくうれしい」と笑顔を見せた。 このほかクリスタル・パイトやウィリアム・フォーサイスら、舞踊界を牽引する振付家の作品が上演される。問い合わせはチケットかながわ(0570・015・415)。名古屋公演は12、13の両日、愛知県芸術劇場。