地方の鉄道を守る救世主に期待です。 ＪＲ西日本が導入した作業用の「人型ロボット」。２１日、雲南市のＪＲ木次線で実際の作業の様子が報道関係者に公開されました。 高所での木の伐採作業もお手のもの。 アニメのワンシーンのように自由自在に動く長いアームを使って、人に代わって作業をしてくれる人型ロボットです。 ＪＲ西日本山陰支社　金岡裕之支社長： 「国内初です。これが本邦初、最初でございます」 ＪＲ西日本がロボットベンチャーなどと共同開発し、今年７月から実用化している多機能鉄道重機です。 高さ１２メートルまでの高所に対応、最大で重さ４０キロまで持ち上げることができます。 オペレーターは視野が立体的に表示されるＶＲゴーグルを装着してロボットを操縦、鉄道設備のメンテナンスのうち、高所での樹木の伐採など、危険で人がやるには大変な作業を肩代わりしてくれます。 坂西美香アナウンサー： 「出雲大東駅近くの踏み切りです。人型ロボットが線路内へと入っていきます。これから山陰で初となる仕事、樹木の伐採作業を行います」 その最新のマシンが２１日、山陰エリアで初めて導入され、作業の様子が報道関係者に公開されました。 雲南市のＪＲ木次線の出雲大東駅から約１キロ離れた場所で、線路脇で樹木の伐採作業を行いました。 ＪＲ西日本山陰支社　金岡裕之支社長： 「いくつか枝をちゃんと切ってくれていますけど、これがきちんと出来ると痛快ですね。人手だったらどれだけの労力をかけているだろうということが想像つきますから、非常に先が期待できるなと感じています」 ロボット導入の背景にあるのは深刻な人手不足。営業時間外に行われることが多い線路の保守作業。工事が２４時間行われることもありＪＲでも担い手不足が課題になっています。加えて、高所からの転落や感電など危険な作業も多く、ＪＲ西日本は労働災害の減少にもつながると期待しています。 ＪＲ西日本中国統括本部米子電気技術センター　相原徹所長： 「ロボットの操作者が特に強い力を出して動かす必要がないので、作業員を選ばなくてできるというメリットはあると思う。これからの労働力不足を補う一翼を担う期待は持てると考えている」 厳しい経営環境が続く地方鉄道の救世主になるのか？この人型ロボットは、今後しばらくは山陰で稼働する予定はなく、主に関西圏での保守作業で活躍するということです。