90歳まで戦力、段階的定年を導入 富山市のアルコット
ビルメンテナンスの「アルコット」(富山市二口町、浅野端(ただし)社長)は就業規則に90歳まで5年ごとの「段階的定年」を導入した。高齢者でも戦力と捉えていることをアピールし、働く人の意欲の向上と人材確保につなげる狙いがある。 同社は北陸3県の施設で清掃、保守点検、警備などを手がける。人手不足が深刻化する中、シニア世代の採用を強化。従業員約1900人のうち半数超を60歳以上が占め、70歳以上は28%と、20年前の6%から大幅に増えた。期限に定めのない無期雇用が中心で、70歳以上の平均勤続年数は10年を超える。 就業規則は4月に見直した。無期雇用であっても従業員が定期的に意思表示でき、会社側が健康や家族の状況などを把握できる機会として一部の職種を除き「段階的定年」を導入した。86歳を最高齢とする現在の年齢構成を考慮し、当面は70歳を第1とする5年ごとの「定年」で運用する。意志がある限り継続して働けるよう、実態に応じて95歳へ引き上げを検討する。
同社では、50、60歳代は健康目的、70歳以上は社会貢献を目的に勤務するケースが多い。矢澤剛志副社長は「やりがいを持って長く働いてもらいたい。『定年』が一つの目標になったらうれしい」と話す。