青木祐奈、キャリアハイの大学最終年から決意の現役続行。アルバイトと両立する覚悟のシーズンは「過去の自分を超える」こと
集大成でキャリアハイの昨季
そのきっかけは、2022年の全日本選手権だった。 ガッツポーズも飛び出す会心の演技を披露し、7位入賞する。 そして、再び強化選手A入りを果たすと、キャリア初のGPシリーズNHK杯に出場。 日本の舞台で存分に実力を発揮し、出場した日本勢最高の5位と世界を相手に大健闘した。 昨シーズンは、シーズン通してのテーマを“青木祐奈のスケート人生”と掲げた青木は、ショートプログラムで自身での振付にも挑戦した。 ショート『Young and Beautiful』は見ている人を惹き込む、青木の美しいスケートを象徴するような、まさに集大成ともいえるプログラムだった。 迎えた2023年の全日本選手権では、今できるベストな滑りで観客を魅了する。 大きな拍手と歓声に包まれ、噛みしめるように演技を終えた。 青木の勢いは止まらず、年が明けた2024年、ラストのインカレで初優勝。 チャレンジカップでは自身初の合計200点超えの目標を達成し、世界女王・坂本花織に次ぐ2位に輝いた。 誰もがまだ彼女のスケートを見たいと願っていたところ、自身のインスタグラムにて現役続行を表明した。
ホームリンクでのアルバイトをしながら戦う今季
現役続行と共に練習拠点のMFアカデミー所属となった青木。 普段の練習に同行させてもらった。 この日は先に氷上練習を行い、午後にリンクでのアルバイトを開始する。 受付業務やリンク上でのパトロールなど多い時は週3日こなすという。 オフシーズンには、念願のアイスショーにも多数出演するなど、覚悟の現役続行を果たした青木は、充実した日々を送っている。 今季も“青木祐奈のスケートを世界に届ける Part2”と称し、GPシリーズ初出場となった去年から引き続きのテーマで挑む。 5季目のタッグを組むミーシャ・ジーさんと作り上げたのは、「自分の滑りが最大限いかされるようなプログラム」だ。 ショートでは初挑戦のタンゴに、フリーではエネルギーや強さを意識した、青木の抜群の表現力が引き立つ『POPSICAL』で臨む。 「全日本で過去の自分を超えたい」と挑む、彼女の活躍に注目だ。
フィギュアスケート取材班