NATO、ウクライナ軍事支援で合意 来年400億ユーロ=外交筋
Sabine Siebold [ブリュッセル 3日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)加盟国は来年、ウクライナへの軍事支援として400億ユーロ(430億ドル)を拠出することで合意した。西側の複数の外交筋が3日、ロイターに明らかにした。 ストルテンベルグNATO事務総長は加盟各国に対し、ウクライナへの軍事支援を複数年にわたり年間約400億ユーロに維持すると確約するよう要請。外交筋によると、各国はストルテンベルグ氏が求めた複数年にわたる拠出などの要請は支持しなかったが、将来的なNATO首脳会議で拠出を再評価していくことでは合意した。 このほか、負担の分担を巡る透明性の向上に向け、向こう1年間に加盟各国がウクライナに何を供給するか確定するための2つの報告書を作成することでも合意した。 こうした拠出を巡る確約は、米ワシントンで来週9─11日に開かれるNATO首脳会議で合意が予定される広範なウクライナ支援策の一部となる。 ただ、NATO首脳会議を来週に控える中でも、ウクライナの将来的な加盟を巡る文言を強化するかどうか、強化する場合はどのように強化するか、加盟国間で合意は得られていない。 NATOは6月、米国に代わってNATOがウクライナへの武器供給の調整で一段と大きな役割を担うと決定。11月の米大統領選で共和党のトランプ前大統領が返り咲いた場合に備える動きの一環だが、外交筋は、米国はウクライナに対する主要な武器供給国であるため、効果は限られるとの見方を示している。