50歳を迎えた篠原涼子、「圧巻の演技力」の原点には“伝説的バラエティ番組”の存在
“かっこいい女”ブランドを構築
こうして着実に俳優業でキャリアを積んでいった篠原さんには、主演オファーが続々と舞い込むように。 『anego[アネゴ]』(2005年/日本テレビ系)、『アンフェア』(2006年/フジテレビ系)、『ハケンの品格』(2007年/日本テレビ系)と3年連続で主演作がヒット。そしてこの3作品の役柄がいずれも“かっこいい女”の役だったこともあり、そういったパブリックイメージも構築されていくのです。 近年では、一昨年に大ヒットした恋愛ドラマ『silent』(フジテレビ系)で、主人公の元恋人で聴覚障害を持つ青年の母役として、再びバイプレイヤーでも好演。これまでかっこよく色っぽい役が多かった彼女が、『silent』で“疲れた母親”を演じたことはいい意味で衝撃的で、そうやって役の幅を広げています。 とはいえ、やはりいまだに根強いのが『anego[アネゴ]』、『アンフェア』、『ハケンの品格』などの“かっこいい女”のイメージでした。
従来のイメージをあえて逆手に取った
ですが現在主演中の『イップス』では、その“かっこいい女”イメージをあえて逆手に取った演技を見せてくれているのです。 『イップス』では、表向きは“かっこいい女”風の発言をしているものの、実は偏屈で口が悪く、突飛な行動も起こす“めんどくさい女”。しかし、いたるところにツッコミどころがあるチャーミングさも持ち合わせており、愛すべきキャラに昇華させているのがさすがです。 思い返せば、彼女の最初の転機となったのは『ダウンタウンのごっつええ感じ』のコントでした。“かっこいい女”主人公のイメージが強いのでつい忘れがちですが、彼女はコメディエンヌとしての才能も持った役者だったわけです。 そういえば2003年の宮藤官九郎さん脚本のファンタジーコメディ『ぼくの魔法使い』(日本テレビ系)でも、ラブラブ夫婦のおバカ妻役を振り切って演じていたのも思い出されます。
『イップス』終盤と次回作に期待!
“かっこいい女”というブランディングで大成した篠原涼子さんが、最新作ではあえてそのブランドをぶっ壊し、“セルフいじり”するような演技で新境地を開拓。 最終回が近づいてきた『イップス』や、彼女の次回作が楽しみで仕方ありません。 <文/堺屋大地> 【堺屋大地】 恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『smartFLASH』、『文春オンライン』、『集英社オンライン』などにコラムを寄稿。LINE公式サービスにて、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。Twitter(@SakaiyaDaichi)。
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