1日1万歩は意味がない?生活習慣病・不眠・うつ・認知障害の改善も見られた「10歳若返る歩き方」のコツ
――簡単なので、運動不足の人や運動が苦手な人に適していそうですね。 はい。運動に慣れていないと始めて2週間ぐらいはつらいですが、その後、体重が減ったり、血圧が低下したりと、変化が表れ始めるでしょう。また、中高年者に多い慢性関節痛、夜間頻尿、不眠、うつなどの症状も改善します。その結果、職場のストレスにも強くなるでしょう。 運動習慣のない若い人にもお勧めです。実際、女子大生を対象に検証してみましたが、やはり体力が向上しました。大学からは、学生に生活のリズムが生まれ、「朝食をきちんと食べるようになった」「授業中の居眠りがなくなった」といった報告も受けています。
■「乳製品」をプラスすることで熱中症予防にも ――インターバル速歩の効果を上げるポイントを教えてください。 一般に運動に適した時間帯は、午後3時以降と言われています。筋肉が柔らかくなり、肉離れなどを起こしにくいからです。でも、インターバル速歩は、朝でも大丈夫。ゆっくり歩きから始めて、その間に上半身を伸ばして大股で歩けば、事故を起こすことはないでしょう。 インターバル速歩を行った後、30分以内に200ccの牛乳やヨーグルトなどの乳製品を摂取することもお勧めです。夏場は、1~2週間で発汗など体温調節機能が50%向上して熱中症になりにくくなります。冬場は、インターバル速歩による体力向上、生活習慣病の改善効果を促進します。
――現在、どのくらい普及が進んでいますか。 18年間で、長野をはじめ、秋田、京都、東京、大阪などの一部自治体ほか、大学、老健施設、企業健保など全体で51カ所、累計1万人以上が5カ月間のインターバル速歩事業に参加しています。 最近では、同事業を現役・若年世代に拡大することを目標に、従来のシステムをスマホアプリ化しました。「インターバル速歩」というアプリで、無料版もあります。 さらに、インターバル速歩の効果の未来予測をするプログラムや、仲間が最近どこを歩いているかなどの情報を提供するプログラムの開発も進行中です。