『新空港占拠』かつての“仲間”が“敵”に 菊池風磨の再登場、「P2計画」との繋がりも
1月27日に放送された『新空港占拠』(日本テレビ系)第3話。獣たちのアジトと思しきスクラップ工場へと向かった武蔵(櫻井翔)と本庄(瀧内公美)。しかしそこで本庄は足を縛られて破砕機に引きずり込まれる罠にかけられ、武蔵は別の部屋に閉じ込められてしまう。本庄を助けに部屋を抜け出す鍵はマイクロチップとして武蔵の首筋に埋められており、目の前には錆びたメスが転がっている。 【写真】獣の仮面を脱いだ丹波一樹(平山浩行) こうした敵のアジトで巧妙なトラップに嵌ってしまうという一連は、前作『大病院占拠』(日本テレビ系)の第3話の終盤から第4話にかけての展開を思い出す。そのときは廃ビルの一角で白衣を着せられたマネキンが横たわり、それを見つけたのも束の間、仕込まれた爆弾が爆発。武蔵は間一髪のところで難を逃れたわけだが、そのマネキンに着せられた白衣がその後のエピソードでの重要な手掛かりとなっていた。 今回も同様に、罠から脱出した武蔵と本庄は、工場のなかに隠し部屋を見つける。そこに座らされていたのは、顔を包帯でぐるぐる巻きにされたマネキン。それを見てすぐさま、武蔵は獣たちから当てるよう言われた逃亡者が整形手術をしているということを導き出すのだ。そして突然燃え始めるマネキンの頭。導火線をたどった先には大量のガソリン。またもや爆発かと思いきや、間髪入れずにマネキンの頭を蹴り落とす武蔵の判断力。さすがである。 さて、今回のエピソードで獣たちのターゲットとなったのは空港の顧問弁護士である米沢(長田成哉)。犯罪者を国外へと逃亡させる手伝いをしていた彼は、開港記念フライトでもまた誰かを逃がそうとしており、その人物が人質のなかにいるという。武蔵はそれが誰かを時間内(といっても、走り続けなければ感電してしまう大掛かりな装置に載せられた米沢がバテるまで)に見つけ出さなければいけない。例によって人質のなかで最も怪しげだった人物が、顔を整形して別人になりすましていたことが発覚する。その人物こそ壬生(手塚とおる)であり、その正体は元衆議院議員の北見茂だったのだ。 第1話のテレビ画面で保釈中に逃亡したことが伝えられていた北見。そのタイミングでは、『大病院占拠』で描かれた界星堂病院での事件との関連がぼんやりと伝えられていたものの、その詳細は分からずじまいであった。しかし今回、この北見こそが「P2計画」を主導していた政治家であることが明言され、さらにその北見に何らかの因縁がある獣として面を外したのが猿=丹波直樹(岩瀬洋志)と、その父である丹波一樹(平山浩行)。そう、前作でSATを指揮した丹波が獣の一人だったわけで、駿河(宮本茉由)につづいて前作で指揮本部にいた“仲間”が今回の“敵”となっているのである。 ますます前作とのリンク、というよりももはや、(P2計画という言葉が出てきた以上)直接的にストーリーが繋がっているといってもいいのかもしれない。丹波の妻の死の真相については次回へ持ち越されることになったが、同時に駿河がなぜ獣に入ったのかを調べた志摩(ぐんぴぃ)は、不審なメールを発見する。それは前作の最終回のラストで駿河が受け取っていた、「blue」なる人物からの感謝の言葉が綴られたメール。武蔵はその「blue」に会うために拘置所へ向かう。現れたのは、前作で病院を占拠した主犯格である青鬼=大和耕一(菊池風磨)。これはおもしろいことになってきた。
久保田和馬