5階建ての建物傾く 近隣の工事が原因か 44人が避難/台湾
(新北中央社)北部・新北市三重区で27日午後、5階建ての建物1棟が傾いた。近くにある工事現場の地中連続壁が損傷して地下水が流出したことが原因とみられる。新北市政府によると、周辺に住む26戸44人が避難したという。 近くの住民によれば、27日午後4時ごろに一時外出した際、隣接する建物の低階層にある飲食店のタイルや外壁が盛り上がっているのに気付き、同6時ごろになって消防隊員から避難するよう求められたという。 現場の調査に当たった新北市土木技師公会(技士会)の頼建宏理事長は、工事現場では地下室の設置工事が行われていたとし、連続壁に穴が開き、地下水が流出したとの見方を示した。現場では水を注入するなどの応急措置が行われた。 現場を視察した侯友宜(こうゆうぎ)新北市長は28日、報道陣の取材に対し、状況は安定していると説明。連続壁の損傷箇所を補強し、建物の安全性を確保するとした。避難している住民については、安全性に問題がないことが確認できてから帰宅可能だとし、各部屋の被害状況を確認するため、順次検査と評価を行うと語った。 台湾では23日夜にも台北市内のビル建設現場で基礎工事のために掘削した溝の側壁が崩れ、隣接する道路の一部が陥没し、車両4台が損傷している。 (王鴻国/編集:齊藤啓介)