<踏み出せ>智弁和歌山/上 経験不足、手探りで /和歌山
◇ゆるい雰囲気、敗退に 2019年夏、甲子園に出場したチームは3回戦の星稜(石川)戦で、タイブレークの延長十四回にもつれ込む激闘を演じる。結果は惜しくも1―4でサヨナラ負け。新チームはそのわずか2日後に始動した。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 初の公式戦となる新人戦の初戦、和歌山東との試合は1週間後に迫っていた。中谷仁監督は「チームとしてどう戦うのか、形が出来上がっていなかった」と明かす。 8人の甲子園経験者がチームに残ったが、主力メンバーとして試合に出場していたのは細川凌平主将(2年)などわずかだった。新チームを引っ張るには実戦経験が不足していた。中谷監督はそのことを懸念していた。 短い準備期間で練習試合をこなしたが、「どの投手がエースとして投げるのか、どの選手が正捕手としてマスクをかぶるのかも決まっておらず、手探りの状態だった」と中谷監督。野手のポジションも固定することができず、「全員がかっちりポジションにはまっていなかった」と池田泰騎投手(2年)も振り返る。 不安を残したまま、迎えた和歌山東との初戦。長打は一本も出ず、3―1で辛うじて勝利した。次戦の相手は実力から言えば勝つ可能性が十分ある、紀央館。この試合で、チームは課題を突きつけられる。 3点を先制されるもチームには、「いつか勝ち越せるだろうというゆるい雰囲気が漂っていた」と池田投手。そのまま、チームは追いつくことなく、2―3で敗退した。