御神渡り出現へ期待 諏訪湖湖面観察始まる 長野県諏訪市の八剱神社
「小寒」の5日朝、諏訪湖の御神渡り(御渡り)の判定と神事をつかさどる長野県諏訪市小和田の八剱神社は、今季の湖面観察を始めた。宮坂清宮司や氏子総代ら約30人が同市豊田の舟渡川河口に集まり、気温と水温を測定。今冬一番の冷え込みで厚さ3ミリほどの薄氷も見られ、7季ぶりの御神渡り出現に向け「ありがたい兆候」と受け止めた。 神社の測定だと、5日朝の気温は氷点下6.8度、水温は3度だった。諏訪の気象観測地点でも氷点下6.9度まで下がり、「寒の入り」らしい冷え込みを記録。宮坂宮司は「いい条件。早々に透明な薄氷が見られたことはうれしい」と話した。 「思いは一つ。7季ぶりの出現を全員が望んでいる。御渡りの勉強をしながら観察を続けたい」と岡崎広幸大総代(63)。同市渋崎の観察総代、伊藤武志さん(59)と矢島伸一さん(58)は「まずは全面結氷。水温を下げる雪がほしい」と望んだ。観察は立春(2月3日)ごろまで続ける。宮坂宮司は「拝観に向かって頑張ろう」と呼び掛けた。 御神渡りは全面結氷した湖面で氷がひび割れ、その跡が高くせり上がる現象。室町時代の1443年から連続した記録が残る。近年は御神渡りが現れない「明けの海」が目立ち、1989(平成元)年以降の出現は9回にとどまっている。