教員の負担軽減目指して進む「部活の地域移行」一方で保護者の負担がほぼ8倍の月4000円との試算も…更なる課題の指導者確保に向け県の登録制度もスタート
中学の部活動を地元に委ねる「地域移行」が進んでいます。 「地域移行」は指導者の確保が課題となっていて、長野県では11月から登録制度を始めました。 一方で、地域移行をした場合、部活よりも家庭の経済的負担が大幅に増えるという試算があることもわかりました。 【写真を見る】教員の負担軽減目指して進む「部活の地域移行」一方で保護者の負担がほぼ8倍の月4000円との試算も…更なる課題の指導者確保に向け県の登録制度もスタート 須坂市教育委員会 部活地域移行コーディネイター 清水秀一さん: 「休日だけの場合は、1000円から1500円程度、平日も含めると3000円から4000円程度」 須坂市の部活動の地域移行を検討する協議会は、部活動に代わる地域クラブの運営経費を試算しました。 平日4日と休日1日活動した場合です。 運営経費は指導者への謝礼や生徒のけがなどに備えた保険代など。 生徒1人当たり月に4000円以上の負担が必要との計算です。 須坂市が2023年に実施した部活動に関するアンケートでは、「部費は月に500円以内」という回答が全体のおよそ6割を占めていました。 地域移行をした場合、家計にとっては大きな負担増になります。 今回の試算では、指導者への謝礼は時給1100円と設定されていますが。 清水さん: 「本業もありながら自分たちの時間を使って来ていただいているので、もっと上げていただきたいというような意見は出ておりました」 一方で、地域移行の背景にある教員の働き方改革は待ったなしです。 市の調査では、教職員1人当たりの時間外勤務は、中学校で月平均45時間以上。 部活動の指導や大会への引率などが要因の一つと言われています。 清水さん: 「先生方の献身的な努力によって部活動って成り立ってきたんだなって思っております」 「先生方の負担の解消っていうことも考えて、地域移行を進めていきたいと考えています」 指導者の確保も課題です。 須坂市・三木正夫市長: 「指導する人がいるかどうか」 「指導する人もいま勤務している人が多いですから、いまの勤務状態との関係がありますね」 県では11月15日から指導者の登録制度を始めました。 須坂市では現在、陸上競技で地域移行を始めていて、バレーボールやサッカーなどへも拡大する予定です。 部活動を指導している教職員の67.5パーセントが専門外であるという実態もあり、地域移行に期待を寄せています。 清水さん: 「競技によってはなかなか指導者が見つからないって部分あると思われますので、そういった時は県の情報等も見て指導者の確保に努めていきたいと考えています」
信越放送
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