新潟産大付対十日町　新潟産大付の上野投手は公式戦初登板、初完封

＜春季高校野球県大会：新潟産大付6－0十日町＞◇27日◇柏崎市佐藤池野球場ほか◇2回戦 　新潟産大付の背番号11をつけた上野要児投手（2年）が、公式戦初登板で完封をやってのけた。十日町に6－0の快勝。足を高く上げて投げ下ろす大きなフォームで、打たれた安打は3本だけだった。関根学園は三条東に9－2の7回コールド勝ち。先頭打者の主将・山川徠輝（らいき）二塁手（3年）が三塁打2本を含む4打数3安打2打点で暴れた。 　　　　　◇　　　　◇　　　　◇ 　上野は、完封投球を笑顔で締めくくった。十日町最後の打者を三塁ゴロで打ち取ると、表情を崩しながらマウンドを下りてきた。球数108球の無四球投球。「一喜一憂しない子」と吉野公浩監督（57）が評する背番号11が闘志をむき出したのは終盤の8回だけだった。被安打は初回の1本に抑えてきたが、8回は無死から2連打を許した。最初で最後のピンチに「ギアを1段上げた」と気迫を右腕に注入した。後続を断ち切ってベンチに戻る時は、右手を強く握り締めていた。 　吉野監督は「調子が一番上がっていたから、初戦は乗っている男がいいと…。しかし、ここまでやれるとは思っていなかった」と上野の快投を振り返った。投手陣は野手を含め5人。試合前は継投策を考えていたが「あまりにも出来がいいので…」とマウンドを1人に任せた。はね上げた足を高く上げながら投げる投球フォームは「不調のときに何かを変えなくては」と試行錯誤して1年夏に身につけたもの。同年に計測した直球の最速は136キロだったが、今夏までに140キロ台に上げるのが目標だ。大きなフォームの消耗も激しいが「まだいけた」とスタミナに問題はない。 　昨秋は新型コロナウイルスに感染した。復帰したのは、ちょうど初戦の2回戦・帝京長岡戦（5－10）。ベンチ入りに間に合ったものの、登板の機会は訪れなかった。「悔しくて（今）春はやってやろう、と思っていました」。上野は、昨秋に味わった悔しい思いを初登板、初完封のマウンドで晴らした。【涌井幹雄】