「楽しみだなんて言っている場合ではない」FC東京とのダービーマッチが来季J1で復活も、東京Vの城福監督が楽観視していない理由
「すでに来季への準備を…」
2023年7月12日、12年ぶりに開催された東京ダービー(天皇杯3回戦)で、東京VはFC東京にPK戦の末に敗れた。試合後の会見で、東京Vの城福監督は少し強い口調で「必ず同じステージで戦って、リベンジしたい」と言った。 【PHOTO】16年ぶりのJ1昇格!国立で選手を後押しし続けた東京ヴェルディサポーターを特集!(Part2) その言葉が強く記憶に刻まれていたので、清水戦でJ1昇格を決めた直後の会見で城福監督に訊いてみた。「J1リーグでFC東京とのダービーマッチが復活する意義について教えていただけますか」と。 それに対して、城福監督は視線をこちらに向けて次のように答えてくれた。 「今日ぐらいお客さんが入る(5万3264人)ようなJリーグにしたい。我々が目指すべきものを目指さないと(東京Vは)エレベータークラブになると思います。我々の予算規模を考えたら楽観視できない。(FC東京との)ダービーがあるから楽しみだなんて言っている場合ではない。すでに来年への準備を始めなきゃいけないし、始まっていると思います」 城福監督は同じ会見でこんなことも言っている。 「このクラブをJ1に昇格させれば必ずキラーコンテンツになる。必ずもう一度Jリーグが盛り上がる。このヴェルディが改めてJ1で優勝を争えるようになれば、こんな素敵なストーリーはない」 Jリーグを盛り上げるために“ヴェルディの存在は不可欠”と、指揮官は考えているのだ。だから、エレベータークラブにするわけにはいかない。 城福監督の言葉に、並々ならぬ覚悟を感じた。 取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)