拘束された尹大統領は強気の供述拒否 国民の同情強まり、支持率回復の時間稼ぎか
15日、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領(64)が韓国史上初めて現職の大統領として身柄を拘束されました。内乱容疑などの事情徴収に対し、供述を拒否して抵抗を続けています。 【画像】捜査員、今回はあっさりと公邸内に入る 「ナイフでも持って阻止しろ」との大統領の指示に警護従わず
■前回と比べあっさりと…拘束に至った理由
15日午後9時40分、尹大統領が乗っているとみられる車列がソウル拘置所に入っていきました。 韓国の大統領公邸周辺は、夜が明ける前から物々しい雰囲気に包まれていました。 「非常戒厳」宣言を巡り、警察などによる合同捜査本部が、内乱容疑で尹大統領の拘束に乗り出しました。捜査当局は今月3日にも拘束令状を執行しようとしていましたが、警護庁に阻止され断念していました。 尹大統領 「銃はダメでもナイフでも所持し必ず阻止しろ」 今回も強硬な指示を出したとされる尹大統領。ただ、今回は警護庁の“人の壁”はなく、捜査員はバスにはしごをかけて楽々と敷地内に進入していきました。 前回と比べ、あっさりと拘束に至った理由について、韓国メディアは「警護職員がリーダーの指示に従わなかった」からだと報じています。 職員たちには「武力行為はさすがにやりすぎだ」という思いと、「今回は自分たちも拘束されるかもしれない」との懸念があったといいます。
■徹底抗戦の構え なぜこれほどまで強気?
尹大統領は拘束される直前にメッセージ動画を公開しました。 尹大統領 「残念ながら、この国の法はすべて崩壊しました。高官犯罪捜査庁の捜査を認めるわけではありません。流血事態を防ぐための一心によるものにすぎません」 さらに尹大統領は供述を拒否するなど、徹底抗戦の構えをみせています。 なぜこれほどまでに強気でいられるのでしょうか。 コリア・レポート編集長 辺真一氏 「時間稼ぎとでも言いましょうか。時が経つにつれ、尹大統領に同情する、尹大統領の主張に同情する、そういう世論が高まりつつある。憲法裁判所の判断にも、いい意味での影響を及ぼすということ」 「非常戒厳」宣言の後に低迷していた与党の支持率は、前回調査から急上昇。最大野党「共に民主党」に2ポイント差と拮抗しています。 捜査当局は17日の午前中までに、逮捕状を裁判所に請求する見通しです。 (「グッド!モーニング」2025年1月16日放送分より)
テレビ朝日