クマ対策グッズ 静岡県内店舗で販売増 夏山シーズン到来、目撃情報も多く
全国的にクマ出没のニュースが目立つ中、本格的な夏山シーズンを迎え、静岡県内の登山用品を扱う店舗でも鈴などのクマ対策グッズの売れ行きが伸びている。 静岡市葵区のスポーピアシラトリ静岡店はこれまでクマ対策グッズとして鈴、笛、スプレーを取り扱ってきたが、スプレーは現在在庫がなく、メーカーも欠品状態になっているという。 鈴は昨年夏から今年にかけて売り上げが増加しており、入荷数を4~5倍に増やしている。昨年、クマ出没のニュースが増えた時期には、鈴の在庫が一時的になくなってしまうこともあった。 同店の高橋直己主任は「音が鳴らないようにする機能が付いた鈴もあり、公共交通機関を利用して登山に出かける人におすすめ。鈴を着けることで、安心感を持って登山を楽しむことができるのでは」と話す。 目撃情報が多い東部地域の店舗でも鈴の売り上げは例年以上の伸びという。 県によると、県内では本年度、6月20日時点で計37件のクマ目撃情報が寄せられている。6月だけでも計24件の情報が各市町に寄せられ、14日には裾野市で親子とみられる5頭が道路を横切っている様子が目撃された。昨年度は13年の統計開始以来、最多の121件だった。 県の担当者は「この時期はクマの繁殖期で目撃情報も多い。子グマの近くには親グマがいることが多く、親グマが子グマを守ろうとして威嚇してくる可能性もある」と話す。その上で、「子グマを見かけたらできるだけ早く遠ざかることが大切。これから夏山シーズンで多くの登山客が山に入ると思うが、十分な対策を心がけてほしい」と注意を呼びかけている。
静岡新聞社