「対応次第で辞めずに済んだ」 批判拡大させた舛添都知事の“上から目線”
メッセージの伝え方にも問題
メッセージの伝え方にも問題があったと指摘する。「たとえば、緊張したり受け身だったりするとメッセージは伝わらないので、私たちは必ず文書を用意します。起こった事実、何が批判されているのか、どうしてそうなったのか、自分のどこに問題があり、どう反省すべきか、さらには償いの中身や再発防止策も記します」。 最大のチャンスは過ぎ、次の5月20日の定例記者会見で舛添都知事は、疑惑の調査を複数の弁護士による『第三者の目』にゆだねると発表。記者の質問に対して『第三者の目を通した調査結果を待ちたい』と明確な回答を拒んだ。石川さんは「4月には第三者の調査を行わない方針を示していた舛添都知事が、この時は『第三者』という言葉を逃げの言葉として使っていましたね」とあきれた。
「みんなやってるのに何で俺だけが」という気持ち
かくして、舛添都知事は辞任届を提出するにいたった。だが、批判を受けるのは何も舛添都知事の専売特許ではない。私たちもいつしか批判される立場に回る可能性もある。今回の一件で得るべき教訓を、石川さんに聞いてみた。 「批判を受けたら、まず謙虚な姿勢で受け止めることです。批判は辛いですが、向き合わなければ次に進めません。舛添都知事は、『みんなやってるのに何で俺だけが』という気持ちを持っているかもしれませんが、批判されている人は、他人からの期待も大きい人でもあるのです。自分のどこが期待されていて、どうして批判されたのかを考え、『批判は期待の裏返し』としっかり受け止めていくということが大切ですね」。 (取材・文:具志堅浩二)