みずほFGが中小企業向けM&A助言に進出、新会社に出資-関係者
(ブルームバーグ): みずほフィナンシャルグループが、中小・零細企業向けM&A(企業の合併・買収)助言事業に進出することが1日、分かった。同日中にも発表する。顧客企業の事業承継ニーズなどをすくい上げ、収益化を目指す。
事情に詳しい複数の関係者が匿名を条件に明らかにした。関係者らによると、旧日本興業銀行系のコンサルティング会社、日本経営システムが新たに設立した「ジャパン・ブルー・M&Aアドバイザリー(JBMA)」に、みずほ銀行とみずほ証券が1日、出資する。
出資後の持ち株比率は、日本経営システムが5割強、みずほ銀行が4割弱、みずほ証券が1割となる見込み。JBMAはみずほFGとみずほ銀の持ち分法適用会社となる。
少子高齢化を背景とした中小・零細企業経営者の後継者不足は深刻で、M&Aによる事業承継が喫緊の課題となっている。帝国データバンクの2022年の調べでは、日本企業の社長の年齢は60歳以上が5割超で、後継者難による企業倒産は23年に初めて500件を超えた。23年版中小企業白書によると、国の事業承継・引継ぎ支援センターの相談社数は21年度に1万3005社と、5年前の2倍以上に膨らんでいる。
関係者の一人によると、みずほFGでは、みずほ証券が大企業同士や海外案件などの大型M&Aを、みずほ銀行が国内の営業拠点や支店などで付き合いのある中堅企業のM&Aを、それぞれ担ってきた。ただ、銀行の支店などがそれより小さい中小・零細企業のM&Aニーズを聞き取っても、自社で扱う体制が十分に整っていなかった。
今回の合弁相手の日本経営システムは、中小企業向けの経営戦略の策定やM&A後の統合プロセス支援などに強みを持つ。みずほ銀やみずほ証のM&Aノウハウと合わせ、事業承継だけでなく、部門売却、経営統合など中小・零細企業のM&Aを巡るニーズに対応していく考えだ。
みずほFGの広報担当者はコメントを控えた。日本経営システムに連絡を試みたが、返信は得られていない。
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Hideki Suzuki, Taro Fuse