【阪神】岡田彰布監督、全体練習に不満「ただ、やってる。みんな見過ごしやぞ」森下の異変「キャンプからやろ」
阪神は19日、甲子園で全体練習を行った。岡田彰布監督が森下翔太外野手を打撃指導。素振りをさせながら助言を送ると、ティー打撃では手本も見せた。フリー打撃も真後ろで見守り、約1時間、付きっきり。体の回転、バットの出し方、手首の返し方など次々と指摘した。人目の多い場所での指導は珍しい指揮官。異例の直接指導となった。シート打撃も実施。18日の日本ハム戦(甲子園)で走塁ミスが続出したこともあり、走者もつけた形で行った。 以下は練習後の岡田監督の一問一答 ―森下はバットのヘッドが走った状態でボールを捉えられていないのか 「ヘッドとか、リストとか、使うてないやんか。何回言うてもなあ。西武(戦)の時とかも室内でちょっと呼んだりして。でも、ずっと一緒やからな。ちょっと言うたくらいじゃ直らへん」 ―矯正のため、あえて極端な打ち方をさせた 「ちょうど試合もないからなあ。手を打たんと、打てへんもん」 ―理解を示してくれたか 「まだ分からんよ、そんなん。今までも理解できへんかったんやったんやから」 ―本来は3番で使いたい選手だからこそ 「いやいや、まだまだこれからの選手やからな。これからあいつが長いこと野球する中でな。この今のスイングじゃ、絶対に無理よ。はっきり言うたるけど」 ―直々の指導は珍しい 「珍しいというか、初めてよ。俺、グラウンドで指導するのなんか初めてよ、監督になって。前の時(前任時代)も1回もしてない、グラウンドでは」 ―深刻な状態か 「深刻どころちゃうよ、そんなもん」 ―伝えたのは、森下が今まで教わってこなかったこと 「考え方の勘違いしとんよな。福岡で言われたらしいな、(ソフトバンクOBの)松中に。『なんていうティー(打撃)やってるんですか』って言われたと言うとった、平田(ヘッドコーチ)が。『アメリカのあんなの(練習法)、もう誰もやってませんよ』って笑われたと」 ―入団当初から気になっていたか 「いや、最初はそうでもなかったよ。あんなにそっくり返って打ってないよ、入った時。去年もあんなにそってないよ。今年のキャンプからやろ、オフの間に何をしたか知らんけど。ピート・ローズのバットまで持ってきて、おかしいやろ」 ―森下は指導中に『下に向かって打っているみたいです』と言っていたが 「(見た目は)全然、下に向けて打ってないやんか。レベル(スイング)やんか。感覚がな」 ―極端に意識するくらいで、ちょうどいい 「そうそう、そんなんあれやんか。悪いのは100直してもあかんよ、120くらいの感覚で直さんと。極端にやらんと直れへんよ。120ぐらい教えんと、100には近づけへんよ」 ―長い棒を振らせたが、森下のために用意していた 「そうや。長い棒を振らせてみい、こんなんして(体が沿って)振るやろ、誰が見ても分かるやろ? あれでもレベルで振っている感覚なんやから、根本的におかしいやろ」 ―以前からこのタイミングで指導する予定だった 「毎日試合があって出ていたら、なかなかなあ」 ―自らボールを打って実演 「ああ。久しぶりに汗かいたわ。もう(軽い)ノックバットしか振れへんで」 ―個々の調子を上げてもらわないと 「いやいや、まだ一番のびしろがあるからな。これからの選手やん、まだ2年目やんか。今のうちにちゃんとした打ち方覚えたら、もう、そんなんずっと長いことできるようになるわけやから。試行錯誤しながら試合やってたら困るよ、はっきり言うて。あいつ、そんな感じやったな。毎日毎日なんか考えながら『徐々に』とか。いちいち5つも6つも考えながら打席なんか立たれへんよ。考えて打席立って打てるかいな、迷うて。0・何秒やで。0・何秒の差のな、まっすぐと変化球の違いを体の反応で打つしかないわけやからさ。考えてられへんわけやからな。『今のはちょっと変な打ち方やな、悪いな』の繰り返しやんか。そんなことを考えて、毎日試合あるのにバッティングなんかでけへん」 ―チーム全体について、きのうは各自が役割を果たせていないと話していた 「『走塁にスランプはない』って昔の人がよう言うとったやんか。当たり前のことやから。まあ意識がないよな、今日なんか見とっても」 ―焦りか気の緩みか 「それは選手に聞かんと分からへんやん。無意識に緩みになってるんかも分からんし。きょうでも(シート打撃に)ランナーつけて、つけるだけやったな。見てみい、何にもないわ。二、三塁のセンターフライで糸原がタッチアップせえへんし。近本もホームけえへんやんか、ボテボテ(のゴロ)で。もう、そういうふうに見えてしまうわけよ、俺は。『ただやってる練習なんやな』って」 (続けて) 「なんでコーチも怒れへんのやろな。それが俺は不思議やねん。みんな見過ごしやぞ、俺が見とってもそうや。今日も2つあるわ。きのうセンターフライで(小幡が)タッチアップしてないのに、今日も見てみい、佐藤の大きいフライで糸原タッチアップもせえへんやろ。それを何にも言わんからのう。そこまでいちいち俺が指摘したら、コーチいらんよ。ハッキリ言うて」 ―大山は2軍戦に出場 「あしたからこっち来るよ。ゲラもきょう投げて、明日からこっち来るよ」 ―大山は和田2軍監督から良くなったという報告が 「だいぶなあ、良くなったいうか…。良くなったって、そら今年良かった時がないわけやから。どのぐらい良くなったのか分からへんで。良くなったてどういうことや? 何が?」 ―体のキレが足りなかった 「そうや、キレやんか。バッティング良くなったいうても、そんなん分からへんで。3割打ったら良くなってんの? でも7回アウトやで。バッティングなんか完璧じゃないんやから、良くなってるなんていう言葉なんか使ったらあかんわ」 ―もともと、これくらいの調整期間を与えるつもり 「もう、交流戦で上げるつもりなかった。そんなん、急に無理やって。急によおならへんって、やっぱり。走り込んだり、ノックでも受けてな。体のキレ戻すとか、そんなことせんと」
報知新聞社