座礁したタンカー 新たな重油の流出確認されず あす作業を再開へ 環境への影響は?北海道
STVニュース北海道
燃料の重油が漏れ出しているのが見つかった北海道函館市沿岸のタンカー座礁事故で、これまでに新たな重油の流出は確認されておらず、タンカーを岩場から引き出す作業は10日に実施される見通しです。 重油の処理に追われる作業員。 函館市の恵山岬沿岸で座礁したタンカー「さんわ丸」は、9日も同じ場所に留まり続けています。 その理由は船外に漏れ出した重油です。 タンカーが岩場に座礁し、船内の燃料タンクが破損したことが原因とみられています。 (東海林記者)「きのうは油が確認されましたが、きょうは見ることができません。においもほとんどしません」 8日は水面が虹色に揺らいでいるように見えましたが、9日は虹色の部分は確認できず、白波が立っているように見えます。 (海上保安庁横浜機動防除基地 城山卓郎さん)「油膜が薄くなっている、減っているという評価。きのうよりも油が減っているという評価はできると思います」 函館海上保安部によりますと、残った重油はタンカーの傷がついていないタンクに移し替え、これまでに新たな重油の流出は確認されていません。 海事科学に詳しい専門家は、新たに重油が漏れることがなければ、環境への影響は収束していくと考えています。 (神戸大学大学院海事科学研究科 若林伸和教授)「波などの色々なものの影響で攪拌されてどんどん薄まっている状態だと思う。(漏れ出した重油の)量が少なかったみたいなので、それほど長く影響は続かないかもしれない」 函館市などによりますと、これまでに漁業被害の報告はきていないということです。 岩場からタンカーを引き出す作業は、10日の満潮時刻・午前10時50分ごろに実施される予定です。