良質なナシへ「摘果デー」 農政部現地機関の研修兼ね 南信農業試験場【長野県高森町】
長野県高森町下市田の県南信農業試験場は15日、場内のナシのほ場約4ヘクタールで予備摘果を行った。「摘果デー」と銘打ち、県農政部現地機関の研修会を兼ねて実施。試験場や各機関の職員、同所で学ぶ農業大学校の学生ら35人余が、午前と午後の部に分かれて参加。ナシの成育状況を学びながら、作業に汗を流した。 試験場内で栽培するナシの管理作業を行うとともに、職員らの交流や情報交換を兼ねて毎年行っている。昨年からは、農政部現地機関同士が相互に施設を訪れ、担当する農作物や仕事への理解を深める研修会の一環として実施している。今回は、南信州地域振興局農地整備課、南信州農業農村支援センターなどの職員が参加した。 参加者たちは、試験場栽培部の研究員から摘果をする理由や方法などの説明を受けた後、二つのグループに分かれて作業。場内にある南水、幸水、豊水、二十世紀のほ場を回り、たくさんの小さな実をつけた「果そう」から大きく形の良い実を残し、他の実を切り落としていった。 小川秀和場長は「開花期の天候が良かったため、結実が良い。これまでのところ順調に生育している」と話し、「摘果は品質の高いナシをつくる上で非常に大切な作業。意味を考え、気持ちを込めて進めてほしい」と期待した。 同試験場は県内5つの農業試験場の一つ。ナシや柿を中心に新品種の育成や省力化などの先進技術開発、病害虫防除などの生産技術開発、凍霜害対策、農薬に頼らない生産技術の開発などに取り組んでいる。