NATO次期事務総長にオランダ首相が就任へ、全加盟国が支持
(ブルームバーグ): 北大西洋条約機構(NATO)の次期事務総長に、ルッテ・オランダ首相が就任する見通しとなった。唯一の対抗候補だったルーマニアのヨハニス大統領が立候補を取り下げると表明し、ルッテ氏は全加盟国の支持を確保した。
ルーマニア大統領府が20日発表した声明によると、ヨハニス氏は先週、他の加盟国に対して撤退の意思を伝えており、ルーマニアもルッテ氏の支持に回る。
これで10月に任期が切れるストルテンベルグ現事務総長の後任就任に向け、ルッテ氏は32の全加盟国から支持を取り付けた。NATOはワシントンで来月開かれる首脳会議の前に、次期事務総長を決定したいと考えていた。
NATOは75周年の節目にあるほか、ロシアのウクライナ侵攻が長期化する重要な局面でトップが交代する。次期事務総長はロシアの侵略から国土を守る戦いを続けるウクライナへの支援を取りまとめる一方で、ロシアとNATOの間で事態のエスカレートを防ぐ役割も担うことになる。
11月の米大統領選でトランプ前大統領がホワイトハウス返り咲きを果たせば、事務総長の職務はいっそう難しくなる恐れもある。ルッテ氏は1月に行われたブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、欧州の同盟国が十分な国防費を支出していないとして不満を述べたトランプ氏は正しかったとの認識を示し、「ダンスフロアに誰が出てこようとも、共に踊る必要があるだろう」とトランプ氏勝利の可能性について語った。
原題:Rutte Clinches NATO Top Job After Romanian Leader Drops Bid (1)(抜粋)
--取材協力:Andra Timu、Ellen Milligan、Natalia Drozdiak、Cagan Koc.
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Megan Howard, Lina Grau, Andrea Palasciano