フランス総選挙、221候補が決選投票辞退 反極右で左派と中道協力
フランス国民議会(下院)選挙で、6月30日の第1回投票を通過した候補者のうち、221人が7月7日の決選投票を辞退した。仏ルモンド紙が報じた。得票率1位になった極右政党「国民連合」の過半数獲得を阻止するため、得票率2位の左派連合「新人民戦線」とマクロン大統領が率いる3位の与党連合が連携し、一部候補者に辞退を呼びかけていた。 【写真まとめ】鉄道は温室効果ガス削減の切り札か 欧州に残る高い壁 仏国民議会選は小選挙区2回投票制で、第1回投票で有効投票の過半数を得た候補が当選し、決着がつかない場合は上位2候補と登録有権者数の12・5%を上回った候補が決選投票に進む。今回は3人以上の候補者が決選投票に進んだ選挙区が、前回の8選挙区から311選挙区に激増した。これらの選挙区では国民連合への反対票が分散し、国民連合に有利とされていた。 左派連合と与党連合は、当選する可能性が低い3位通過の候補者に辞退を求めており、その結果、左派連合132人、与党連合83人が辞退。候補者2人の選挙区が大幅に増加した。 「極右包囲網」は過去にもあった。2002年の大統領選で国民連合のルペン前党首の父、ジャンマリ氏が現職のシラク大統領との決選投票に進出した際、第1回投票で敗退した左派陣営が現職の支持に回り、シラク氏が圧勝した。だが今回は、与党連合の一部候補者が左派候補者の支援を拒むなど、どこまで協力が進むかは不透明だ。 ルペン氏は、決選投票で同党が過半数の議席を獲得できなかった場合、「運営が行き詰まる」として政権を発足させない意向を示しているが、他陣営の候補者との連携にも含みを残している。【ブリュッセル宮川裕章】