スーパーにお客様が「イチゴが腐ってた!」と商品を持たず来店。かなり怒っていたためか、店長は何も確認せず「返金」していましたが、証拠もなく返金して大丈夫なんでしょうか…?
顧客のクレームには真摯(しんし)な対応が必要です。とりわけ食品は消費者の健康に直接つながります。クレームを受けた場合、本来は原因究明・再発防止に最善を尽くすべきで、生産段階の問題か、流通貯蔵過程などの問題か、速やかに調査すべきという視点は重視しなければなりません。 一方で、顧客のための速やかな解決という目的も見逃せません。生鮮食品については商品の特性上、ある程度の不良品の発生が見込まれることもあり、クレーム対応は店舗によりさまざまです。 今回の上司の対応も、会社や店舗の方針に応じたものかもしれません。本記事では、生鮮食品に関しての取り扱いをまとめてみました。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
クレーム対応は担当者限りで即断しないこと
販売した商品に問題があった場合、お客にレシートと現物を見せてもらい返金や交換に応じるのが一般的な取り扱いです。とはいえ、担当者限りで「レシートと現品がなければ対応できません」と即答するのは、避けたほうがよいでしょう。店舗によりさまざまな対応方針があるからです。 現場の担当者としては、責任者に取り次いで対応してもらい、そのやり方に疑問があれば、後で責任者に確認しておく、という対応が無難と思われます。
生鮮食品のクレーム取り扱いには柔軟な判断が必要
生鮮食品のクレームの対応方針は、おおむね次のような事情を考慮して決められているようです。生鮮食品については、ある程度は傷んだりすることがありえます。傷んだものはお客が処分してしまうことも多いでしょう。「買う時に気がつかなかった自分の不注意だ」と思うかもしれません。 しかし、後でひょっとしたら返金してくれるかも、と思い直してレシートを持ってくる、という場合もあるでしょう。むしろそのような場合の方が多いかもしれません。 ある大手スーパーは「もし生鮮食品にご満足いただけない場合、レシート提示で返金保証いたします」と明確に告知しています。 逆に、レシートを保存しておらず、傷んだ商品だけをもってくるお客もいるようです。仮にレシートがなくても、現物を見てお客の話を聞いて、返金に応じているところもあります。おそらくスーパー側はお客をみれば、本当のことを言っているのか、うそをついているのか、わかることもあるのでしょう。 また最近では、ポイントカードやキャッシュレス決済の履歴を見ることで確認できるので、レシートがなくても返品対応するというお店もあるようです。 このような柔軟な対応には、勇気を持って食品の問題を伝えてくれたお客に誠意を示すことが、お店のファンを増やし、売り上げ増加につながっていくという経営判断があるようです。 大事なことは、店舗での取り扱い方針が明確になっていることです。 責任者によって対応の仕方が違っていたり、お客が怖そうか、おとなしそうかなどで対応が変わったりといったばらばらの扱いは混乱のもとであり、お客にも店舗の担当者にも不信感を持たれるでしょう。