『報知映画賞』主演女優賞の石原さとみ、両親の前で万感のスピーチ “役者さん”への覚悟も
俳優の石原さとみ(37)が『第49回報知映画賞』で主演女優賞を受賞し、16日に都内で行われた表彰式に登壇した。 【写真】声を上げて大喜びした石原さとみ 『ミッシング』の演技が評価されての受賞となった石原のもとに、吉田恵輔監督と共演の青木崇高がサプライズで登壇すると、石原は声を上げて大喜び。吉田監督は「石原さん、おめでとうございます。本当に自分のことのようにうれしい。現場での石原さんの役作りに対する努力、苦悩、思い、目の前で見ていたので、自分の映画の中で100点のお芝居をしていただいて。こんなすばらしい賞をいただいて、自分のことのようにうれしいです。よかったね、本当に。これからも石原さんの味方なので、頑張ってください」とやさしく呼びかけた。 青木も「おめでとうございます。撮影中じゃ、そんな笑顔1回も見られなかった」と笑わせながらも「(石原が)覚悟を決めて入っている佇まい、心が、僕らを巻き込んですばらしい作品を作ってくださったと思っています。撮影中、一番長くいた僕が言うので間違いないです」と太鼓判を押した。 監督・共演者の言葉を受け取った石原は、スピーチで「私は、15歳で映画でデビューをして、16歳で人生で初めて賞をいただいたのが、報知映画賞の新人賞です。両親が泣きながら参加してくれたから、今でも覚えています。それから21年が経ち、映画で初めて主演女優賞をいただきました。本当にうれしいです」としみじみ。 幼女の失踪事件をきっかけに、苦しむ母や家族、マスコミの報道やSNSの誹謗中傷を描くストーリーゆえに「妊娠出産を経て、産後復帰作だったので(作品と向き合って)精神が壊れるギリギリだったのですが、乗り越えられたのは、吉田監督の現場にいるんだと思えたからです。7年前に直談判したんです。夢かなっているんだと思っているから。乗り越えられました」と思いを届けた。 その上で「お芝居って、こうやってやるんだ、大発見がたくさんありました。役者という肩書には今も自信がありませんが、受賞できたこと、吉田組を経験できたことを誇りに、役者さんになれるように、これから挑戦していきたいと思います。21年ぶりに、両親が病気を乗り越えて参加してくれています。親孝行ができました。家族にも喜んでもらえるように、応援してくださるみんなに喜んでもらえるように、頑張っていきたいと思います」と涙ぐみながら思いを口にしていた。 同賞は、スポーツ新聞が単独開催する初の映画賞として、1976年に誕生した。2023年12月1日から2024年11月30日までに国内で1週間以上、一般公開、もしくは公開予定の新作。新人賞は原則として3年以内に本格デビューした俳優、監督となる。 主演男優賞は『正体』の演技が評価された横浜流星が昨年に続き受賞。主演女優賞は『ミッシング』の演技が評価された石原が初受賞した。作品賞・邦画部門は横浜が主演した藤井道人監督の『正体』が受賞した。各賞の受賞者・受賞作品は以下のとおり。 ■受賞一覧 作品賞・邦画部門:『正体』 作品賞・海外部門:『シビル・ウォー アメリカ最後の日』 アニメ作品賞 :『ルックバック』 主演男優賞:横浜流星(『正体』の演技に対して) 主演女優賞:石原さとみ(『ミッシング』の演技に対して) 助演男優賞: 奥田瑛二(『かくしごと』の演技に対して) 助演女優賞:吉岡里帆(『正体』の演技に対して) 監督賞: 塚原あゆ子(『ラストマイル』の演出に対して) 新人賞: 越山敬達(『ぼくのお日さま』の演技に対して) 新人賞:中西希亜良 (『ぼくのお日さま』の演技に対して) 特別賞:平泉成(『明日を綴る写真館』の演技と長年の映画界への貢献に対して) 特別賞:草笛光子(『九十歳。何がめでたい』の演技と長年の映画界への貢献に対して) ■選考委員 荒木久文(映画評論家)、木村直子(読売新聞文化部映画担当)、見城徹(幻冬舎代表取締役社長)、藤田晋(サイバーエージェント代表取締役)、松本志のぶ(フリーアナウンサー)、YOU(タレント)、LiLiCo(映画コメンテーター)、渡辺祥子(映画評論家)の各氏(敬称略、五十音順)と報知新聞映画担当。