ネオンカラーの法被、全員サングラス……ユニークな姿で楽しませたアンコール

　歓声が鳴り響く中、客席からはアンコールから使用可能のグッズのマラカスライトが色鮮やかに点灯する。現在まで発売されたブルー、パープル、そしてこのツアーから発売された白とイエローのライトが美しい。程なくしてバックに「祭」と印字されたネオンカラーの法被を着こんだ、まさるの「ま」、たかみーの「た」、さかざきの「さき」による「またさきトリオ」が登場。マラカスライトを両手に持ちテーマソングを歌った後は、墨田区出身の江戸っ子・坂崎の歌唱による北島三郎の「まつり」やコントで盛り上げる。 　“祭”と言えば夏の風物詩“盆踊り”ということで、「メリーアン」の音頭バージョン「メリーアン音頭」を法被姿の4人のダンサーと共に披露。のちに発表されたが、2024年夏は「秋田竿燈まつり」で「THE ALFEEの竿燈」があがり、青森ねぶた祭では「THE ALFEE ねぶた」が運行するという。8月17日、18日に開催される、Kアリーナ横浜で開催される恒例の夏のイベント『U-NEXT Presents「THE ALFEE 2024 Wind of Time 50年目の夏祭り」Supported by 第一興商』でも必至の振り付けになりそうだが、なかなかに難しそうだ。 　そしてそのまま楽器を持たずに「YELLOW SUNSHINE」に突入。客席のマラカスライトが一斉にイエローに変わる。入場と同じテーマ曲が流れる中でまたさきトリオが去ったあとは、高見沢、坂崎もサングラスを着用し再登場。坂崎がハンドマイクで歌う「CRASH！」へ。ゴジラギターを持った高見沢と背中合わせになるシーンではより一層の歓声が上がる。この曲の終わりで、サポートメンバーのドラムスの吉田太郎、キーボードのただすけが紹介され、「We are  THE ALFEE！」と叫んだ後は、「いくぞ、今年第18回目のみんな大好き『SWEAT & TEARS』！」に。華やかなオープニングと共に客席に銀テープが放たれ、客電がついた中で演奏が進んでいく。ステージはもちろん、ステージを所狭しと駆け回り、ヘドバンしながらの熱いパフォーマンスで盛り上げる。 　この曲だけでも体力を相当使うはずなのに、続くは「70になっても80になっても100になっても、いつまでも『鋼鉄の巨人』！」と、数あるTHE ALFEEの楽曲の中でもひときわハードなナンバーに。照明が艶やかに点滅し炎があがるなか、激しいパフォーマンスを繰り広げる。客席もメンバーのパワーに負けじと拳を突き上げ、興奮のうちにアンコールの演奏が終了。サポートメンバーを間に挟み、5人で並んで会場に深々と頭を下げ、手を振ってステージを後にした。 　暗くなった会場には2度目のアンコールを求める歓声が鳴り響く。ステージが明るくなり、3人が登場。高見沢と坂崎が向かい合ってアコースティックギターの準備をし、ベースを持たない桜井と共に1980年リリースの「明日なき暴走の果てに」を披露。ライブハウスで演奏していた頃のように、曲の終わりには3人そろってお辞儀をする。歌詞の中にある〈未だゴールは見えず〉は「まさに今のALFEEを象徴する曲で、あの時も見えなかったけど今もゴールは見えない」と高見沢。ここで幾度か話題にあがっている「THE ALFEEのどこがいいのか？」を自問自答。その答えは「3人ともリードボーカルが取れる」「コーラスが厚い」「ギターはそこそこ」、「そこそこだから3人が肩を寄せ合ってやってきた」と分析。「3人がリードボーカルを取れるグループはキャンディーズ以来」と笑いながらも、すかさず「普通のおじいさんにはなりません、特別なおじいさんになります！」と、キャンディーズの名セリフを借りて現役続行宣言をした。 　7月24日にリリースされる両A面シングル『KO.DA.MA.／ロマンスが舞い降りて来た夜』のうちの1曲、フジテレビ開局65周年企画『心はロンリー 気持ちは「・・・」FINAL』主題歌となる、「ロマンスが舞い降りて来た夜」を煌めく銀色の吹雪が舞う中で披露。新曲があるから続いていくし、以前の楽曲も懐メロにはならない。常に新しいものに挑戦し続けていくTHE ALFEEにふさわしい、懐かしくも新しいモータウンビートのナンバーだ。3人がステージの真ん中に集まり固く肩を組み、三方向に頭を下げ、ステージを後にした。 　70歳になっても、3人集まって音を鳴らせば音楽を始めた10代の頃にすぐに戻れる。だからこそTHE ALFEEはいつまでも若々しくいられるのだろう。そしてコンサートに行けばいつでもTHE ALFEEに出会った頃に戻れる、長年応援しているファンたちも、普通の年相応ではないはず。アンチエイジングを促す“特別”なTHE ALFEEの、デビュー50周年の熱い夏がいよいよ始まる。