ひろゆき&武井壮の百獣の王vs論破王② 武井壮が芝居とスポーツの二刀流を続けている理由とは?【この件について】
ひろゆきがゲストとディープ討論する『週刊プレイボーイ』の連載「この件について」。前回からの対談相手は「百獣の王」武井壮さん。海外の映画に出演している武井さんは、ゴルフのティーチングプロの試験に合格するなど、スポーツにも真剣に打ち込んでいる。その理由と今後の目標を語ってもらった。 【写真】武井壮いわく「『武井は普通の俳優じゃ撮れない映像が撮れる』というのが強みになると思う!」 *** ひろゆき(以下、ひろ) 前回は、武井さんがインド映画に続き、タイ映画にも出演することになり、俳優業で世界進出しているという話でした。んで、僕的には、役者とアスリートの能力はけっこう似ている気がするんですよ。どちらも理想的なイメージ像があって、そのとおりに体を動かそうとする。そう考えると、運動神経抜群な武井さんは、演技も抜群にうまいという仮説を持っているんですけど。 武井壮(以下、武井) 僕がお芝居で意識しているのは、なるべく日常のしぐさのままセリフが出てくる感じなんですよ。「こういうふうに体を動かそう」と考えると途端に芝居くさくなっちゃう。だから、なるべく頭から体に指令を送らず、自然な反応をしようと思っています。それが正解なのかわからないけれど、スポーツにおける体に対する指令とは違う感覚ですね。 ひろ 俳優業を始めるにあたって意識したことってあります? 武井 いろんな人のお芝居を見ました。毎日、映画を1本は見ていましたね。しかも、この人だと決めて、ずっと見ていたんですよ。 ひろ 例えば? 武井 例えば、堤真一さんや役所広司さん、長谷川博己さんです。あと、岡田准一さんのアクションシーンはよく見ていました。実際に岡田さんにお芝居について聞いたことがあったんですけど、彼はカメラやレンズの種類を把握して演技をしているそうなんです。だから「あのカメラが収められる画角(映る範囲)はこれくらいまでだから、このシーンはこのへんからあのへんまでの間で動こう」みたいなことが全部わかっている。 ひろ 岡田さんの演技やアクションはめちゃめちゃ評価されていますけど、そこまで考えていたんですね。でも、アクションの世界って、そんな能力まで求められるんですか? 武井 例えば、ダイナミックな動きをしても、剣が画角に収まっていなかったらNGになるじゃないですか。 ひろ なるほど。 武井 だから、全体をぼんやり見るんじゃなくて、端っこにいたとしても「この人だ」と決めた俳優さんをずっと見るとけっこう発見があるんですよ。例えば、腕の位置。しゃべっているときはどうしているかとか。 ひろ 普段生活していると、まったく意識しないですもんね。 武井 でも自分がお芝居するとなると「あれ? しゃべっているときって、腕はどうしてたっけ?」と思うんです。それで、つい腕を組んじゃうと威圧的に映ってしまったり。腕の使い方ひとつで威圧感を与えたり、神経質な印象になったりするんです。そういう視点で映画を見たことがなかったから、去年はすごく学びの多い年でした。