センバツ出場を決めたプロ注目のドラフト候補8人
春はセンバツから。 プロ野球スカウトの仕事もセンバツからである。 3月20日に甲子園球場で行われる第88回選抜高校野球大会の全出場校の32校が29日、発表された。春連覇を目指す敦賀気比(福井)に、プロ輩出常連の強豪、大阪桐蔭、敦賀気比を昨秋の神宮大会で破った高松商(香川)、東邦(愛知)などが優勝候補だが、プロが注目のドラフト候補もズラリと顔を揃える。 元ヤクルトのスカウト部長で“ブンブン丸”の異名をもらった池山隆寛らを高校生から発掘した片岡宏雄氏は、「高校生は春から夏と伸びてくるのでセンバツの時点でのチェックが非常に重要」とした上で、「1位指名で競合するようなクラスの選手はまだ見当たらないが、夏までの伸びシロと、将来性が楽しみな選手は何人かいる」と言う。 プロのスカウトの見立ても、片岡氏の見解と総じて変わらず、ピッチャーでAマークをつけているのが、大阪桐蔭の最速150キロをマークした左腕、高山優希、昨夏の甲子園でベスト8入りしている花咲徳栄の同じく左腕の高橋昴也、188センチ、80キロの恵まれた肉体を持ち“北陸のダルビッシュ”と呼ばれている敦賀気比の山崎颯一郎、投球フォームがあの松坂大輔にそっくりな創志学園の高田萌生、そして東邦で1年生から甲子園のマウンドに立ち“バンビ2世”と騒がれた藤嶋健人の5人だ。 大阪桐蔭の高山は、昨春のセンバツを経験、神宮大会では、これまでの最速を5キロ更新して、今なお発展途上中。片岡氏は、そのマウンドさばきがプロ向きだと評価している。 「カウントが悪くなったり、走者を背負っても、ボールの質やフォームが変わらない。これはプロで成功するために大事な点。左のスピードは右の5キロ増しと考えたほうがいいから、実質、155キロクラスだ」 同じく左腕では、花咲徳栄の高橋の評価が高い。145キロのストレートとフォークで三振を取れるのが魅力。本人は、阪神の藤川球児のフォームを参考しているという。片岡氏も、「体にパワーがある。球離れがいいので、プロでも意外と早く使えるかも」と見ている。