グーグル、ライバルiPhone用Chromeのパスワード管理機能を強化
グーグルは、iPhoneユーザーのセキュリティを改善する驚きのアップデートを公開した。ただし、落とし穴がある。 【画像】強化されたiPhone用Chromeの「パスワードチェックアップ」機能 アップルとグーグルはほとんどの面においてライバル関係にあるが、幸いなこと、それぞれのユーザーデータの保護に関しては協力的だ。たとえば、アップルのセキュリティエンジニアリングチームが、グーグルのブラウザであるChromeの深刻な脆弱性を発見したこともある。 このほどグーグルは、iPhoneでChromeを使っているユーザーのセキュリティを向上させる機能を正式に発表した。 ■パスワードチェックアップ機能を大幅に強化 改善は、既存のパスワードチェックアップ機能のアップデートとして実施される。この機能は、ユーザーが使用しているパスワードが侵害され、サイバー犯罪者やハッカーが使っているダークウェブデータベースに載ったことがある場合に警告するものだ。今回グーグルは、Chromeユーザーにとってすでに重要なこの機能に、弱いパスワードおよびパスワードの再利用についての警告という2つの新機能を追加した。 パスワードチェックアップ機能は、ユーザーが入力したパスワードに何か問題があることをChromeが検出した際に警告を表示するほか、独立して使用することもできる。実際にウェブサイトに入力せずにパスワードをチェックしたいときは、Chromeアプリから「設定>パスワードマネージャー」に進み「パスワードチェックアップ」を選択する。
新機能に関するグーグルの見解
■新たなパスワードチェックアップ機能に関するグーグルの見解 グーグルのChromeプロダクトマネージャー、ジェシカ・バワとセーフブラウジングプロダクトマネージャのジョナサン・リーは、ブログで「グーグルはiOS版Chromeに新しいパスワード保護を導入することで、みなさんが安全にウェブを利用する手助けをします」と述べている。グーグルはセーフブラウジングに関しても「ハッカーの進化に追いつく」ために新たな対策を講じており「リアルタイムのプライバシーに配慮したURL保護」などを、デスクトップとiOS両方のChromeに提供することを発表している。 グーグルによると、Androidユーザーへの提供は「今月後半」になるという。 ■フィッシングを25%多くブロックできるとグーグルは予測 グーグルは、新しいセーフブラウジング機能によって「フィッシングの試みを今より25%多くブロックする」と予測している。 ■役に立つiPhoneユーザー向けパスワードガイド ちなみにグーグルは、パスワード変更のアラートを受け取るための、非常にわかりやすいiOSユーザー向けオンラインガイドを公開している。iPhoneでChromeアプリを開くところから、セキュリティアラートを受け取る設定をするところまで、7ステップで詳しく説明されている。 すべては、あなたがiPhoneでのブラウジングをChromeに切り替えることを想定したものだ。正直なところ、プレインストールされているブラウザ「Safari」は、iOSの機能とも連携して、ユーザーが必要とするプライバシーとセキュリティの機能をほぼすべて備えている。あなたがグーグルのエコシステムを利用しているのであれば、新たなアップデートは歓迎すべきものだが、その一方で、なぜiPhoneを使うのかという疑問も湧いてくる。
Davey Winder