外信コラム 中国で日本アニメ躍進 「君たちは」に続きSPY×FAMILY、「ハウル」も興収上位に
中国で日本アニメ映画が躍進している。4月3日公開の宮崎駿監督作品「君たちはどう生きるか」の興行収入は7億元(約150億円)を突破し、4月の興収ランキングで首位となった。5月上旬の労働節(メーデー)連休の興収では「SPY×FAMILY(スパイファミリー)」の劇場版が4位、「ハウルの動く城」が5位に入った。 北京の映画館で「スパイファミリー」を見た20代の会社員男性は「観客がかなり多かった。内容は面白く満足した」と笑顔だった。いつもは厳しい日本批判が目立つ中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報も4月中旬に、「かつて独り勝ちだった米国映画も熱気を失ったようで、宮崎作品に代表される日本アニメがますます中国の観客に受けている」と評価した。 北京では日本映画を紹介する「2024北京・日本映画週間」が4月に開かれ、松居大悟監督の「不死身ラヴァーズ」など4作品が上映された。日本の実写映画の認知度はアニメ映画ほどには高くなく、日中関係筋は「実写映画も見てもらえれば日本の今の姿がより伝わる」と期待する。 中国赴任後に「高倉健の映画で日本に興味を持つようになった」という中高年世代に何度も会ったことがある。映画が対日感情にも大きく関わっていると実感している。(三塚聖平)