【阪神】才木浩人がシーズン2度目の1―0完封!球団日本人では1974年古沢憲司以来の快挙に岡田監督ご満悦「俺はもうええ」
◆日本生命セ・パ交流戦 ロッテ0―1阪神(2日・ZOZO) 阪神・才木浩人投手(25)が6安打完封で、チームの5連敗を止めた。球団の日本人では1974年の古沢憲司以来、50年ぶりとなるシーズン2度目の1―0でのシャットアウトで、リーグトップタイの6勝目。4戦連続で9回の同点劇を演じ、4分けを挟み11連勝中だったロッテをついに止めた。森下翔太外野手(23)は自身初の初回先頭打者本塁打を放ち、交流戦5試合目で初勝利。1回表の先頭弾による1―0での勝利はプロ野球史上8度目、球団史上初の珍事となった。 ZOZOの邪念を打ち破った。9回2死三塁、ポランコを全5球直球で二ゴロに抑え、阪神・才木は破顔した。6安打で今季3度目の完封。チームの連敗を5で止めた。「俺で止めたると思っていた」と、今季3度目の連敗ストップ。無四死球完封は自身初、ハーラートップタイの6勝目だ。無四死球での1―0完封は、89年6月29日・中日戦(ナゴヤ)の御子柴進以来、球団35年ぶりとなった。 前2戦は9回に追いつかれ、延長戦でサヨナラ負け。最終回は異様な雰囲気が漂うなか、先頭の小川に中前打を浴び「オーマイガー」と天を仰いだが「最後は気合」と闘志を燃やした。虎党の応援が耳に届き「ウェーイと思いながら投げた」と、才木節もさく裂。岡田監督は、初戦後に「もうええわ」、2戦目後に「もうええやろ」と2日続けて取材に応じなかったが「才木に聞いたれ。俺はもうええ」と絶賛。9回は嫌な記憶がよぎりかねない場面だったが「よぎるのはあんま見てないということや。毎日見てるねんから託すしかない」と、腹をくくっていた。 最前線で戦う責任がある。昨年12月、高橋、小川、伊藤稜、新井トレーナーら「リハビリの会」で、すし店へ。トミー・ジョン手術を受けた仲間、リハビリ担当トレーナーとつかの間のオフで健闘を誓い合った。ひと足先に復帰した才木の活躍は同僚の励み。「できるだけ見てもらえるように」。だから最後まで全力で腕を振り、マウンドを譲らない。 今季はスライダーの手応えを幾度も口にする。豪快な投球が売りだが「技巧派です」と笑う。この日も投球のアクセントに活用し「大きかった」と納得。過去最重量92キロへの適応に時間を要し、開幕後は球速が出ずに悩んだ直球も「良かった」と胸を張った。甲子園の交流戦でロッテ・佐々木と投げ合い、3安打完封してから約1年。189センチの“大きな技巧派”が覚醒の時を迎えている。(直川 響)
報知新聞社