「事件は“空気のようなもの”」 ススキノ頭部切断事件、田村瑠奈被告の祖父が明かした心境
惨劇から8カ月。事件の舞台はいよいよ法廷へと移ることになる。昨年7月に札幌・ススキノで発生した「頭部切断殺人」。逮捕された娘と両親の鑑定留置が終了し、今月6日にはそろって勾留期限を迎えたのだが……。 【写真を見る】父・修被告は鑑定医とのやりとりに応じなかった ***
ススキノのホテルで恵庭市の会社員男性(享年62)を殺害、頭部を切断して自宅で保管し続けた田村瑠奈(30)。父で精神科医の修(60)、そして母の浩子(61)ともども殺人や死体損壊容疑で逮捕され、昨年の8月下旬から刑事責任能力の有無を調べる鑑定留置が行われていた。 「修と浩子の弁護人は、責任能力には問題がないとして二人の鑑定留置の取り消しを求めてきました。9月初頭には本人らが鑑定留置理由の開示手続きで札幌簡裁に出廷、瑠奈との共謀をあらためて否定しながら、医師の修は『私が鑑定人なら途方に暮れる』とも述べていました」(全国紙デスク)
異例の長さとなった鑑定留置
が、最終的に両親の不服申し立ては9月11日付の最高裁決定で棄却されている。 「先月28日、半年間の鑑定留置を終えた三人は札幌拘置支所を出発、道警本部や各警察署など勾留場所に戻されました」(同) 鑑定留置は通常2~3カ月のことが多く、今回の半年間という長さは、事件の特異性を物語っているといえるのだが、 「道警が8月中旬に三人全員を殺人容疑で再逮捕したのは、両親が瑠奈の犯行をサポートするなど『共謀共同正犯』の関係にあると判断したため。それでも鑑定期間中、修と浩子は鑑定医とのやり取りにまるで応じていませんでした」(同)
サポートしていこうという考えはありますが…
およそ3週間にわたって遺体の首が“陳列”されていた田村家は、札幌市の東部・厚別区に立つモダンな3階建て。が、今なお警察の規制線が張られ、物々しい雰囲気を醸し出している。 道東の町に一人で住む修の父に尋ねると、 「(三人の様子は)何も聞いていませんし、札幌にもまったく出向いていません」 としながら、 「(万が一、三人の誰かが無罪になったら)サポートしていこうという考えはありますが、事件については“空気のようなもの”で、何もお話しするつもりはありません」 一方、殺害された男性の自宅は事件以後、同居していた妻子が転居したといい、玄関先には現在も雪が積もったままである。