MLB球宴守護神がドラゴンボール愛を熱弁「感謝の気持ちしかない」ファン歴24年 所持するフィギュア26体
悲報は母国ドミニカ共和国の友人からの連絡で知った。世界中を駆け巡った漫画家・鳥山明さん死去のニュース。エンゼルスの守護神で、昨季は大谷翔平選手と一緒にオールスターゲームにも出場したカルロス・エステベス投手も衝撃を受けた一人だ。鳥山さんの代表作「ドラゴンボール」をこよなく愛する右腕。8日にキャンプ地のアリゾナ州テンピでデイリースポーツの取材に応じた際には、その日の私服だった黒のキャラクターTシャツを誇らしげに見せてくれた。 【写真】エステベスのグラブに刻まれた金色のリング 悟空の頭についてたやつ? ドラゴンボール愛の大きさはメジャーリーガーの中で一番と言っても過言ではないだろう。 エステベスが初めて「ドラゴンボール」と出会ったのは24年前、7歳の時だ。 「たくさんの笑いや戦闘シーンだけでなく、個々の登場人物にそれぞれの物語がある。友情や努力の大切さ、そして、愛する者を守ること、目標に到達するために鍛錬すること、たくさんのことを教えてくれた。今でも見てるよ」 当然のことながらお気に入りのキャラクターはある。 「最初は悟空から入って、悟飯が好きになった。でも、最後はベジータだね。悪いヤツが少しずつ変わっていく姿が本当にいいよね」。 にわかではない。筋金入りのファンだ。 自宅に飾られているフィギュアは全部で26体。「ベジータが4種類、悟空も4種類、悟飯は3種類かな。ほかに、ピッコロ、フリーザ、魔人ブウもある」。その表情はまるで少年。うれしそうだ。 キャンプ地は荷物の量に限りがあるため、持ち込んではいないが、シーズン中は本拠エンゼルスタジアムのロッカーにそれらをきれいに並べて飾っている。 「去年は5体。スーパーサイヤ人になったベジータ、悟飯、ブロリー、あとは『ワンピース』と『ナルト』でしたね」 ロッカーの前で報道陣の取材に応じるエステベスの背後から見える5体のフィギュアたちはまるで『守り神』のようだ。 日本だけでなく、世界中の人々を夢中にさせた鳥山さんをエステベスはこう表現する。「マンガアーティストというだけでなく、幸せや喜び、たくさんの魅力と冒険をすべての世代にもたらした人」と。 もし鳥山さんと会うことができたらどんなことを聞きたいですか? その問いかけにエステベスは「何もない」と即答し、こう続けた。「このような素晴らしい作品を残してくれてありがとうございましたという気持ちしかない。僕はこれからもずっと感謝し続けていく」。身長198センチ、体重125キロの男の目が潤んでいた。